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市民公開シンポジウム



開催趣旨

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター病院 臨床研究推進部長
中込 和幸


 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、精神疾患、神経疾患、筋疾患、発達障害をはじめとする、脳とこころの機能などに深く関連する疾患について、先端的かつ高度専門的な研究開発と医療の提供を行っております。
 今回の市民公開講座のテーマとして取り上げました統合失調症は、人口の0.8%がかかることが知られている、比較的頻度の高い疾患であります。一方、その症状の現れ方や治療への反応性などは多彩で、個人差が大きく、単一疾患としての病態の解明はできておりません。

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 おそらくは、異なる病態に基づく複数の疾患が合わさったものと考えられ、そうした 視点から病態研究が進められているところです。一方、病態が完全に解明されなくても、治療を行うことは可能です。実際、治療薬の発見のきっかけは偶然によるもので、ある麻酔薬に気分を落ち着かせる効果があることに一人の研究者が気づいたことが最初でした。そうして1950年代にはじめて抗精神病薬が開発されて以来、薬が効きやすい症状である幻覚や妄想を取り去ることが主たる治療ターゲットでありましたが、幻覚や妄想が消失しても必ずしも患者さんが満足できる生活を送れるわけではないことも徐々にわかってきました。社会生活を困難にさせる、生活技能や認知機能の問題、意欲の低下、うつ気分などが次々と治療のターゲットとして位置づけられるようになってきました。そうした様々な側面を考え合わせると、治療目標のキーワードとして“リカバリー”という言葉が浮かんできます。すなわち、疾患を抱えながらも生き生きと満足できる生活を送れるようになること、そのための様々な治療法の開発を目指す研究も進められているところです。そのためには、多くの方との協働が必要だと考えております。
 ぜひ、この機会に皆様の様々な視点からのご意見・ご批判等を頂戴し、センターの今後の活動の糧とさせていただければ幸いです。


プログラム






 




 








 

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