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理事長ご挨拶

理事長・総長 水澤 英洋

 21世紀は「脳の世紀」と言われ始まりましたが、国民の5人に1人が何らかの脳あるいはこころの問題を抱えており、現代はまさに「脳とこころの時代」といえると思います。脳やこころの病気は患者さんに大きな苦しみや障害をもたらすのみならず、社会的に大きな課題ともなります。例えば、「自殺」という社会問題と関連してうつ病に関心が持たれていますし、発達障害の増加も社会的関心となっています。高齢社会が進む中で認知症は喫緊の課題であり、高齢化に伴って増加するパーキンソン病、脊髄小脳変性症などへの対応も重要です。しかも、脳やこころの病気の多くは、まだ原因や発症機序が解明されていなかったり、治療法の開発に至っていないというのが現状です。これに対して、我が国は「脳とこころの健康大国」をめざすことを国家戦略の柱の一つと定めております。

 当センターの使命は、まさにこの「脳とこころの健康大国」の実現をめざし、まだ解決されていない多くの脳とこころ病気の原因解明、治療法の確立、モデル医療の開発などにあります。当センターは1940年設立の武蔵療養所にその源を発し、1986年に武蔵病院、神経研究所、精神保健研究所から成る3番目のナショナルセンターとして創設され、以来、精神疾患、神経疾患、筋疾患、発達障害に関する研究と医療を通して、これらの疾患・障害の克服をめざして努力してきました。2010年4月にナショナルセンターは独立行政法人となり国立精神・神経医療研究センター(National Center of Neurology and Psychiatry: NCNP)と改称されましたが、さらに2015年度からは国立研究開発法人として、より一層、研究開発に力を注ぐことが期待されています。

 NCNPは2つの研究所と病院が一体となって疾患克服のための研究と診療を行っています。両者の連携を円滑にするための組織としてトランスレーショナル・メディカルセンター(TMC)、メディカルゲノムセンター (MGC)、脳病態統合イメージングセンター (IBIC)、認知行動療法(CBT)センターが設立され、臨床研究の推進、バイオリソースの管理・活用、脳画像研究の発展など新しい研究領域を開拓する上で重要な役割を果たしています。また自殺総合対策推進センター、災害時心の情報支援センター、司法精神科臨床研究センター、摂食障害全国基幹センターがあります。さらに、個々の疾患について研究所と病院が連携して研究と臨床を総合的に行う専門疾病センターとして、現在「パーキンソン病」「筋疾患」「多発性硬化症」「てんかん」「地域精神科モデル医療」「睡眠障害」「統合失調症」が活動しています。

 私たちは「研究所と病院が一体となった世界的にもユニークな精神・神経医療研究センター」として、これからも職員一同、その使命を果たすべく努力いたしますので、国民の皆様のより一層のご支援とご協力をお願いいたします。

平成28年4月

理事長・総長 水澤 英洋

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