人間の知能は20歳過ぎまで発達します。認知症は知能が発達した後に,障害が脳に加わり脳が破壊され,以前の知能水準から低下した状態を指します。脳の機能は,記憶,見当識,言語,認識,計算,思考,意欲,判断力,など多様です。認知症ではこれらの脳の機能の幾つかが障害されます。日常生活場面では,仕事上のミスが増える,初めての場所へ行けない,以前のように食事を作れなくなる,銀行や郵便局の金銭管理ができない,などが現れます。

 障害の原因は,頭の外傷(脳挫傷など),脳炎,脳梗塞や脳出血などの脳血管障害,アルツハイマー病などの脳の萎縮する病気など,多数あります。老年期(65歳以上)の認知症の原因は,脳血管障害による認知症,アルツハイマー病による認知症の頻度が高いですが,それ以外にもレビー小体型認知症など多数あります。
 脳血管障害による認知症の場合は,発作を繰り返すたびに障害が悪化することがあります。一方,アルツハイマー病などの脳萎縮が原因の場合は,認知症はゆっくりと進行します。認知症と区別する必要があるのがせん妄という状態です。

閉じる

© NCNP