正確な病型の診断は、まず、今後どのようなことに注意していくべきか、また将来的に根本的治療が出来る可能性がないか、という点で 重要です。また、患者さん自身、もしくは ご家族の方々の遺伝相談にお答えするにも、正確な病型の診断は重要になります。
 まず病気の経過の把握と診察所見が大切です。病型によっては、基本的にはそれだけで診断できることもありますが、その場合も、検査を追加して、診断を確認します。また患者さんの状態によっては病型の診断は簡単でないこともあり、そのようなときには筋生検などの検査が必要になります。
 当院では、同じ敷地内にある神経研究所の先生方と協力して、筋疾患の診断を行っています。筋ジストロフィーの病型によっては 遺伝子診断ないしDNA 診断が出来ますが、血液からの診断が難しい場合は、筋生検が重要な検査になります。とくに筋生検は、患者さんの体を傷つける、侵襲的な検査ですので、一生に一回、一部位からの筋生検で診断できるように心がけて、検査前には十分に検討をします。研究の進展とともに、検査方法も次第に増えています。残念ながら現在の検査方法では限界があることもあります。そのような場合には、生検でとった筋肉の検体は、再度の筋生検を行わなくとも済ますように可能な限り保存して、保存した筋肉で検査を追加していきます。筋肉の一部は、治療法がみつけていくために、研究に使用されることがあります。
 遅発型ポンぺ病は、頻度は少ないながら、酵素補充療法が健康保険診療でも可能となった病気ですが、筋ジストロフィーと誤診される病気のうちの一つです。他に、動物実験で有効な治療が明らかになった筋疾患もありますが、まだ実際の患者さんでの臨床応用には更に検討が必要である状況です。

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