なぜこのような異常な姿勢が生じるのかについては、一定の見解がいまだありません。不思議なことに、痙性斜頚も指をほんの一寸顎に当てるだけで軽快 すること(sensory trick)があります。このように、どうやら感覚からの入力 が大きな影響を持っていることは分かっています。恐らく本来は限局した筋肉だけが分離して興奮するべき「刺激」が、余分な筋肉にまで及んでしまう、そしてそうした異常な回路が形成され固定されてしまうことが問題なのであろう と考えられます。ところで、ジストニアの診療における最大の問題点は、何といってもその治療の難しさです。ドパミンの作用を高める抗パーキンソン病薬 が多少有効であると同時に、抗ドパミン作用をもつ薬物も多少有効であったりします。つまり、脳内の神経伝達物質の変動が予想できないのです。

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