多発性硬化症は病気の進行の仕方によっていくつかのタイプに分けられますが、小児の多発性硬化症は症状が増悪・軽快を繰り返す「再発寛解型」が多く、はじめから症状が進行性に悪化する「一次進行型」は少ないことがわかっています。また進行する場合もその速度は成人と比べると遅い傾向があります。しかし多発性硬化症は慢性の病気であるため、治癒しないまま成人期に移行し、はじめは再発寛解型であったものが次第に進行性に悪化する「二次進行型」にかわっていく場合もしばしばあります。

 さらに多発性硬化症は病変の分布によっても分類され、「大脳白質型(古典型)」と「視神経脊髄型」があります。日本では小児でも成人と同様に、視力障害や手足の麻痺で発症する視神経脊髄型が多く見られます。また「neuromyelitis optica(NMO, 視神経脊髄炎)」という病気が最近知られるようになり、これが先程の視神経脊髄型の多発性硬化症と同じものであるのか現在議論されています。小児でもNMOは見られますが、病変が脊髄だけにとどまり視神経が傷害されないような非典型例がしばしば見られます。

 当院では、多発性硬化症かどうかということだけでなく、その中でもどのようなタイプに属するのかということも含めた正確な診断を心がけています。このことは適切な治療法の選択や将来的な見通しの予測のために必要です。

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