多発性硬化症の治療には大きく二つに分けられ、症状が増悪したときにそれを抑えるための「寛解導入」と、安定した状態を保つための「再発予防」が必要になります。

 寛解導入の方法としては副腎皮質ステロイドホルモン(ステロイド)による治療が主流です。ステロイドは内服で用いたり、短期集中的に点滴で投与するステロイドパルス療法を行ったりします。一般に最初は十分な量を使用し、症状が改善したら徐々に減量するという方法が用いられます。

 一方でステロイドは長期投与により骨粗鬆症、白内障・緑内障、成長障害など様々な副作用が問題となります。このため再発予防のための維持療法としては、現在ではインターフェロンβという薬剤が用いられます。これは注射薬であることが問題ですが、ご家族の方に注射の方法を学んでいただいたうえで、小児でもご自宅で治療を続けることが可能です。ただし一部では無効な場合や、反対に症状がかえって悪化する場合もあるとされています。

 この他にはガンマグロブリン療法や免疫抑制剤などが用いられることもあります。

 小児の多発性硬化症は進行が比較的遅い面はあるものの、再発を繰り返すことによって徐々に症状が進行していきますので、早い段階から長期的なビジョンを持って適切な治療を選択していくことが重要です。当院では治療と同時にその効果判定や副作用評価も綿密に行い、患者様一人一人の状態に合わせたオーダーメード治療を提供します。

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