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多発性硬化症センター(Multiple Sclerosis Center)

ご挨拶

 多発性硬化症(MS)は厚生労働省の指定する特定疾患で、日本国内の患者数は1万3000人と推定されています。MSは代表的な神経難病ですが、この10年間の研究の進歩は著しく、治療法も格段に進歩しています。

 NCNPでは、最先端の治療技術や患者個々の特性を考慮した医療を確立し広く普及させるために、多発性硬化症センター(MSセンター)を開設することになりました。

 MSセンターでは、神経内科、精神科、放射線科、内科、小児科の医師と、免疫学や神経科学の研究者が連携して、現時点で最新・最善の医療を提供できるように努めるとともに、画期的な治療法や診断技術を開発するために研究を進めます。 NCNPはMSの研究や臨床で日本を代表する人材をこれまでにも多数育成していますが、さらに力を入れていきたいと考えています。

 センターの機能は、これから徐々に充実させていきたいと考えますが、当面は、MSに関連する様々な問題で悩む患者さんの診療、ご家族に対する援 助、若手医師や研究者の育成、新薬開発の促進などで日本の中核として機能していきたいと考えています。皆様のご理解とご協力をお願い致します。

 NCNPのMS治療の特色ですが、インターフェロンβ療法はもとより、患者様の生活の質を上げる、外来通院ステロイドパルス療法、免疫吸着療 法、精神症状や痛み・しびれなどの治療などに実績があります。また新薬の臨床治験にも積極的に取り組み、MSと近い関係にある視神経脊髄炎(NMO)や慢 性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)の診療にも力を入れています。

 受診を希望される方は、予約センターへご連絡を御願い致します。

平成22年4月1日

神経研究所免疫研究部 部長
MSセンター長 山村 隆

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第19回 多発性硬化症カンファレンスのご案内

日時:平成28年4月25日(月)午後6時30分〜午後8時00分
場所:国立精神・神経医療研究センター 研究所3号館 1階 セミナールーム
pdf第19回NCNP MSカンファレンス プログラム
pdf地図はこちら

このたび第19回多発性硬化症カンファレンスを開催することになりました。今回のプログラムでは、鹿児島大学より髙嶋 博先生を迎え、「日常診療に潜む自己免疫性脳症の症候・診断・治療」と題して御講演をいただく予定となっております。神経免疫疾患の臨床や研究に興味をもつ医師・研究者の皆さまのご参集をお待ちしております。

多発性硬化症に対する新規免疫修飾薬の医師主導治験にご協力いただける患者様を募集しています

この治験について

 現在、NCNPでは、再発寛解型多発性硬化症(MS)の患者さんに対する治験を行っています。今回の治験のお薬は、多発性硬化症の新規治療薬として、国立精神・神経医療研究センターが開発をしている経口薬(飲み薬)です。
 この治験は、この治験薬を週に1回服用していただき、安全性や、治験薬の効果に関連するバイオマーカーの探索、治験薬の体内での動きを確認するために行います。

治験に参加するための基準

 今回の治験に参加していただけるかについての、主な基準は以下のとおりです。かかりつけ医がいらっしゃる場合は、ご相談の上お問い合わせください。

今回の治験に参加いただける方
  • 再発寛解型MSと診断されており、かつ、担当主治医によりMSと診断されたことが診療録に記載されている
  • 20 歳以上65 歳未満の男性および女性
  • 総合障害度評価尺度(EDSS)が7 以下である
  • 治験薬の最終投与90 日後まで、適切な避妊法を実施できる
  • 神経学的に安定している
今回の治験に参加いただけない方
  • Neuromyelitis Optica(多発性硬化症の1つのタイプ)と診断されている
  • 妊娠中または授乳中である
  • ガドリニウム造影剤を投与して適切にMRI 検査ができない
  • 肝疾患または肝移植の病歴がある
  • スクリーニング検査及びベースライン検査での肝機能に異常が見られた
  • 過去5 年間に悪性腫瘍の既往歴がある
  • てんかんと診断されている、又はけいれん発作(ただし熱性けいれんは除く)の既往がある

この他にも、参加できるかどうかについての基準があります。 また、あなたがこの治験に参加いただくことができるかどうかを担当医師が検査・診察をします。場合によっては、同意をいただいた後でも治験に参加いただけないことがあります。また、すでに治験が始まっていても、あなたにとってこの治験を続けることが難しいと担当医師が判断した場合、治験を中止させていただくこともありますので、あらかじめご了承ください。

治験参加のお問い合わせ先

この治験について詳しくお知りになりたい方は、下記までお問い合わせください。
《連絡先》
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院
臨床研究・治験推進室(担当:鈴木)
TEL:042(341)2712(内線:7289)
受付時間:平日の8時30分~17時15分

多発性硬化症とは?

多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)のはっきりした原因はまだわかりませんが、自己免疫疾患のひとつといわれています。自己免疫疾患とは、免疫系に何らかの異常が起こり、自分の体の細胞を外敵と見なして攻撃してしまう病気です。
MS では中枢神経系(脳・脊髄・視神経)の神経の周りを覆っている「ミエリン」という部分を自分自身で壊してしまうことによって起こる病気です。ミエリンが壊されると、その部分の神経上の情報のやりとりが上手く行われなくなり、運動障害、感覚障害、視力障害などの神経症状が出てきます。また、急に症状が悪くなる状態(再発)と症状が落ち着いて安定した状態(寛解)を繰り返す慢性疾患です。

治験とは?

私たちは、ケガや病気になったときに「くすり」を服用する等の治療をします。この「くすり」が世の中に出てくるためには、最初に「くすりの候補」となる物質の性質を調べ、動物でどのような作用があるか等を調べます。そして最終的には、健康な人や一部の患者さんの協力を得て、人の病気の治療に役立つかどうかを確かめる必要があります。
このように健康な人や患者さんに実際に使っていただき、人での効き目や安全性について調べて、国(厚生労働省)から「くすり」として承認を受けるために行う臨床試験※のことを「治験」といい、治験で使われる「くすり」を「治験薬」と言います。治験への参加は参加する方の自由意思に基づいて行われ、参加される方の人権と安全性が最大限に守られなければなりません。そのため、治験は厚生労働省が定めた基準(医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP:Good Clinical Practice))に従って行われます。

・早期探索的臨床試験について
これまで日本で発見、開発された「くすりの候補」であっても日本では治験が進まず、日本の患者さんに新薬が使えるようになるには海外に比べて長い時間が必要でした。そこで、国は臨床試験の整備を行い、はじめて「くすりの候補」を人に投与して、体のなかでの動き(薬物動態)や働き(薬理効果)を調べ、「くすりの候補」の将来性を評価する早期探索的臨床試験を実施できるようにしました。また、日本で発見、開発された「くすりの候補」の臨床試験については国が一部支援することになりました。今回お願いするこの治験薬は国の支援の対象となった「くすりの候補」であり、早期探索的臨床試験として実施することが国から認められています。

・治験のながれについて
「くすりの候補」は、動物での有効性や安全性を確認してから人を対象とする「治験」に進みます。治験は、通常3つの段階があり、順番に各段階で有効性や安全性を確認しながら進められますが、今回お願いする臨床試験は3つの段階の最初の試験である第Ⅰ相試験のなかでも、この治験薬はこれまで人に投与されたことはなく、初めて人に投与するヒト初回投与試験にあたり、臨床開発の早い段階で実施される早期探索的臨床試験として行われます。この早期探索的臨床試験では少人数の人で「くすりの候補」の体のなかでの動き(薬物動態)や働き(薬理効果)を調べ、その将来性を評価します。この治験で得られた結果は、承認申請の際に厚生労働省に提出する資料になります。

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患者の皆さまへ

多発性硬化症センターでの診療をご希望の方へ

 当院での 診療を希望される方は、外来予約センター(電話042-346-2190)を通して予約をお取り下さい。医師、患者団体などからの紹介を受けて受診をされることが望ましいですが、まだ専門医にかかったことのない方や、特殊な事情がある方については、紹介状がなくても診察予約をお取りしています。
※電話のかけ間違いにはご注意ください。

備考

  • 1)MSあるいは視神経脊髄炎(NMO)の診断を受けられた患者の方は、MSセンター所属医師への診察を希望する旨をお伝えください。
  • 2)診療体制には変更が加えられることがあります。
  • 3)MSセンター外来初診の診察時間は30分ですので、遠方から一度だけお越しになる患者さんについては、診察時間が不足する嫌いがあります。質問されることの多い患者様には、1時間以上の診察時間が約束されているセカンドオピニオン外来を活用していただければ幸いです。セカンドオピニオン外来は通常の診察枠とは異なる診察日、時間帯に設定されています。
  • 4)事情により患者様ご本人が来院できない場合には、代理の方に来院していただき、セカンドオピニオン外来を利用していただくことになります。
  • 5)MSセンターでは臨床と研究を並行して進めていますので、研究のために血液の提供などをお願いすることがあります。

MSセンター専門医診療体制

(新患外来)

月曜
14:30 - 15:00 佐藤
火曜
13:00 - 14:00山村
木曜
11:00 - 11:30荒木
15:00 - 15:30林・岡本
金曜
13:00 - 13:30山村

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医師・医療関係の方へ

研究員・研究生募集

 免疫研究部では、「免疫性神経疾患の診断に有用なバイオマーカーの探索と新規治療法の開発」をテーマに、患者様から頂いたヒト末梢血および髄液検体を用いた臨床研究を行っています。当施設は8~12カラーフローサイトメトリーアナライザー&セルソーターを保有しており、国内有数のハイスループットの細胞解析能力を有しております。ヒト検体を用いたトランスレーショナルリサーチ技術の習得や学位取得、海外留学を目指す医師の方は、是非一度お問い合わせ下さい。

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活動状況

業績

 神経研究所免疫研究部の荒浪利昌室長、山村隆部長らは、病院および多発性硬化症センターなどと共同で、多発性硬化症の類縁疾患である視神経脊髄炎(NMO)において、神経を障害する抗体の産生機序を解析し、インターロイキン6(IL-6)が重要な治療標的となることを明らかにしました。論文は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されました。

NCNP 多発性硬化症カンファレンス(過去分)


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