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パーキンソン病・運動障害疾患センター
(Parkinson disease & Movement Disorder Center)

パーキンソン病・運動障害疾患センター(Parkinson disease & Movement Disorder Center:略称 PMDセンター)とは

 パーキンソン病、進行性核上性まひ、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、ジストニアなど、脳・神経系の障害により、体が動かしにくい、勝手に体が動く(不随意運動)、ふらつく、などの症状が出る病気を運動障害疾患(Movement Disorder)と呼んでいます。パーキンソン病・運動障害疾患センター(Parkinson disease & Movement Disorder Center; PMDセンターと略します)は、これらの疾患を対象に、神経内科、リハビリテーション科、脳外科、精神科などの診療科や、看護部、検査部などが、それぞれの専門性を生かして協力し、一人ひとりの患者さんに最も適した診療を行うために、設立しました。

 PMDセンターでは、病院でのこれらの疾患の診療とともに、神経研究所をはじめとするNCNP内の多くの施設との連携で新たな治療法や早期診断法の開発などの臨床研究や基礎研究を進めるとともに、国内外の医療スタッフの研修及び患者さんやご家族にこれらの疾患について正しく理解していただくための出版や公開講座の開催などをしています。 PMDセンターでは多数の患者さんの診療経験を次の患者さんの治療や診断にいかすために、患者さんの臨床データや検査結果、血液、脳脊髄液、DNAなどを収集し、研究に使用させていただくことがあります。趣旨をご理解の上、ご協力をお願いいたします。(現在進行中の研究課題を(2)臨床研究に示します。詳細については主治医にお尋ねください。)

 また、PMDセンターではパーキンソン病の治験・臨床研究を進めるためのサポーターとなっていただく患者さんのグループ、パーキンソン病臨床研究支援チーム:愛称Team JParis(チーム ジェイパリス)(http://teamjparis.ncnp.go.jp/)や生前同意に基づくブレインバンク(http://www.brain-bank.org/)の推進にも力をいれております。

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PMDセンターのミッション

  1. 1)パーキンソン病・運動障害疾患の患者さんに国立精神・神経医療研究センター(NCNP)病院及び研究所等NCNPの総力を挙げて、その疾病だけなく、その疾病をもつ一人の人間である患者さん一人ひとりに適切な最高の医療を提供する。
  2. 2)パーキンソン病・運動障害疾患の新しい治療法、診断法を開発する。
  3. 3)患者さん、ご家族、医療関係者、国民全体にパーキンソン病・運動障害疾患に関して正しい知識をもっていただけるよう、また研究開発にご協力いただけるよう、公開講座、出版物、ITなどを通じて情報を発信する。

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コアメンバー

 コアメンバーを以下に挙げますが、このほか各診療科や、検査部、看護部、リハビリテーション部のスタッフが参加しています。

氏名   PMDセンター内の活動
村田美穂 病院 病院長 総括
髙橋祐二 神経内科診療部 部長 遺伝性神経疾患の診療 遺伝子診断カウンセリング
塚本 忠 神経内科診療部 医長 パーキンソン病診療(認知症含む)
坂本 崇 神経内科診療部 医長 ジストニア診療(J-PPMI)
山本敏之 神経内科診療部 医長 対象疾患の嚥下障害診療、病態(Team JParis)
向井洋平 神経内科診療部 医師 パーキンソン病診療(J-PPMI)
齊藤勇二 神経内科診療部 医師 パーキンソン病診療(J-PPMI)
野田隆政 第1精神診療部 医長 パーキンソン病等の精神症状の診療(とくに幻覚、妄想)
小林庸子 リハビリテーション科 医長 対象疾患のリハビリテーション
岩崎真樹 脳外科 部長 対象疾患の脳外科的治療
木村唯子 脳外科 医師 対象疾患の脳外科的治療
齊藤祐子 臨床検査部 医長 対象疾患の病理診断、ブレインバンク推進
後藤雄一 MGC
DNA診断室・遺伝カウンセリング室
センター長
室長
遺伝子診断、遺伝カウンセリング
亀井雄一 第1精神診療部 医長 睡眠障害の治療
堀越 勝 CBTセンター センター長 パーキンソン病、ジストニアのCBT開発
北浦 円 薬剤部 薬剤師 対象疾患の服薬指導・研究
三好智佳子 看護部 看護師 対象疾患の看護・研究
和田圭司 TMC センター長 病態解明及び病態把握・診断技術の開発
皆川栄子 神経研究所疾病研究第四部 流動研究員 病態解明及び病態把握・診断技術の開発
北條浩彦 神経研究所神経薬理研究部 室長 ハンチントン病、家族性PDの治療法の開発

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概要

1.診療

 PMDセンターの診療部は疾患及び病態により以下の5つのグループがあります。それぞれのコアメンバーは以下の通りです。それぞれのグループはたがいに密接に関連、協力していますが、とくに嚥下障害グループはすべての疾患グループにかかわっています。

パーキンソン病・パーキンソン症候群グループ

 (神経内科)村田美穂、向井洋平、齊藤勇二(精神科)野田隆政、亀井雄一(検査科)齊藤祐子、(リバビリテーション科)小林庸子、(脳外科)岩崎真樹、木村惟子 (CBTセンター) 堀越 勝、(薬剤部)北浦 円(看護部)三好智佳子

 パーキンソン病、進行性核上性まひ、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症(特に線条体黒質変性症;MSA-P)などが対象です。運動症状のみならず、抑うつ、不安、睡眠障害や、腰曲がりなどの姿勢障害などにも対応しています。

 初期には、正確な診断、適切な薬の種類と量の選択、リハビリテーション、疾患の正しい知識を得ていただくことが重要です。短期入院により、適切な薬の量を決定するために必要に応じてL-dopa の血中濃度と症状の変化を評価するL-dopa testや、ご自宅でしていただくリハビリテーションの指導、疾患を正しく理解していただくための教育などを行っています。

 その後も、疾患の状態に合わせ、経過の評価とそれに合わせてその時必要な医療の選択、リハビリテーション指導などのために、外来診療とともに、定期的な短期評価入院をお勧めしています。特にパーキンソン病でウエアリングオフ現象や不随意運動が出現している方にはL-dopa testにて、薬の効果と症状との関連を評価し、薬剤調整を適切に進めることができます。

 パーキンソン病や不随意運動症では必要に応じて、脳外科的治療(脳深部刺激術など)も行い、術後の刺激調節や薬剤調整を脳外科と神経内科が共同で行っています。

 睡眠障害や不安のためにパーキンソン症状が悪く見えることも多いので、これに対しても認知行動療法をはじめとする専門的治療も進めています。

レビー小体型認知症グループ

 (神経内科)塚本 忠、(精神科)野田隆政、(検査科)齊藤祐子

 パーキンソン症状と共に認知症状、幻覚、妄想などの精神症状が出現しやすいために、神経内科と精神科の協力が不可欠です。患者さん及びご家族のQOLの向上をめざし、適切な治療を選択しています。

小脳失調・ハンチントン病グループ

 (神経内科)村田美穂、髙橋祐二、(遺伝カウンセリング室) 後藤雄一(リバビリテーション科)小林庸子

 多系統萎縮症などの孤発性の小脳失調症とともに、ジョセフ病など家族性の脊髄小脳変性症、ハンチントン病などが対象です。小脳症状、自律神経症状、その他いろいろな症状の組み合わせがあるので、まず正確に診断し、またその時々の症状を評価して、経過に合わせて適切な薬剤の選択やリハビリテーション等とともに、社会資源の活用のご紹介も含め、一人ひとりの状態に合わせた医療を提供いたします。

 ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ハンチントン病などの遺伝性の疾患では、遺伝相談が大変重要です。診療科と遺伝カウンセリング室が一体となって対応しています。

ジストニアグループ

 (神経内科)坂本 崇、向井洋平(リバビリテーション科)小林庸子 (CBTセンター) 堀越 勝

 痙性斜頸、眼瞼スパスムなどへのボツリヌス治療の他、パーキンソン病グループと共同して、パーキンソン病関連疾患の姿勢異常(腰曲がり、頸下がりなど)に対する治療を行っています。ジストニアは精神的ストレスの影響を受けやすいので、認知行動療法(CBT)も進めています。

嚥下障害グループ

 (神経内科)山本敏之、(リハビリテーション科)小林庸子

 パーキンソン病を始めとする運動障害疾患では、嚥下障害は大変重要です。このグループではNST(栄養サポートチーム)と協力して、嚥下障害の評価とともに、嚥下指導、食形態の選択、さらに必要なら胃ろうなども含め、ご本人、ご家族のご希望を伺いながら、最も安全かつ適切に栄養が摂取できるように工夫しています。

2.臨床研究

 現在、当センターでは以下のような臨床研究を進めています。

  1. パーキンソン病の薬物動態に関する研究
  2. パーキンソン病の不安、抑うつに対する認知行動療法(CBT)の開発
  3. パーキンソン病、レビー小体型認知症の幻覚等精神症状の実態とその治療についての研究
  4. パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺の早期診断、経過評価のためのバイオマーカー検索についての研究
  5. パーキンソン病のオーダーメイド医療確立のための研究
  6. パーキンソン病の自然歴に関する研究
  7. パーキンソン病・不随意運動における脳深部刺激療法の刺激条件最適化に関する研究
  8. パーキンソン病発症予防のための運動症状発症前biomarkerの探索研究

3.基礎研究

 現在、当センターでは以下のような基礎研究を進めています。それぞれ疾患ごとに、診療グループと密接な関係をとりながら研究を進めています。

  1. ハンチントン病の治療法開発
  2. パーキンソン病の睡眠障害が神経変性に与える影響

4.教育、研修

  1. パーキンソン病・運動障害疾患専門コース(対象:医師)
  2. 遺伝性脊髄小脳変性症等遺伝性神経疾患を中心とした臨床遺伝専門医養成コース(対象:医師)
  3. メディカルスタッフのためのパーキンソン病・運動障害疾患講座(計画中)
    (対象:メディカルスタッフ)
  4. 在宅療養のためのリハビリテーション講座(対象:リハビリスタッフ)(計画中)
  5. パーキンソン病・運動障害疾患の病気と治療 (対象:患者、家族等)(計画中)

5.公開講座・出版物等

「改訂3版 やさしいパーキンソン病の自己管理」
医薬ジャーナル社
当センターパーキンソン病チームによる、患者さんやご家族のための解説書です。
2017年3月に改訂第3版を発行しました。

「こうしよう!パーキンソン症候群の摂食嚥下障害」
アルタ出版
メディカルスタッフ向けの嚥下障害についての解説書です。

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