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統合失調症早期診断・治療センター

はじめに

 統合失調症は、思春期・青年早期に発症することの多い疾患で、長い経過をたどることが多いとされています。経過も人によってさまざまで、非常に薬が効いて、症状のコントロールがうまくいく方と、そうではない方、いろんな方がいらっしゃいます。人口の1%弱がこの病気に悩んでいる、という問題がありながら、残念ながらその原因は現在でもはっきりと解明されていません。どの方がどのような経過をたどるかについても予測が困難な状況です。一方、病気の長い経過の中で「発症早期の治療」が重要であることは繰り返し指摘されています。

 当センターは、精神科の中でも最も重要な疾患の一つである統合失調症の発症早期に適切な治療を行うこと、また適切な治療法を開発することを目的に設立されました。病院と研究所が一体となって、この重要な問題に取り組んでいきたいと考えています。また、適切な治療法の実施や開発は、一つの施設だけでは難しい問題です。診療面では、地域の他の病院やクリニック、研究面では全国の主だった大学や研究施設などと力を合わせて進めていきたいと考えております。

 みなさまのご理解、ご協力をお願いいたします。

平成26年7月1日
第一精神診療部・第六精神科医長
統合失調症早期診断・治療センター
吉村直記

診療

 「発症早期の治療」に焦点をあてているため、原則として、まだ精神科の病院やクリニックに受診したことのない方や治療を開始して間もない方(1~2年以内)が対象です。初診において十分な面接の後、診断や治療方針確定の参考とするために、脳画像検査、心理検査などを行います。身体的状況、生活習慣も治療の選択に大きな影響があります。そのため、総合的な身体評価も行います。その結果をみなさまに説明し、一緒に治療方針について話し合って決めていきます。

可能な検査一覧
一般身体所見:身長、体重、腹囲、BMI(body mass index) 、神経学的検査
一般的な臨床検査:血液検査、心電図
脳画像検査:MRI
脳機能検査:脳波
診断補助検査:光トポグラフィ検査(NIRS)
臨床症状評価尺度:陽性・陰性症状評価尺度(PANSS; Positive and Negative Syndrome Scale) 、簡易精神症状評価尺度(BPRS; Brief Psychiatric Rating Scale)
認知機能評価尺度:統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J; Brief Assessment of Cognitive function in Schizophrenia Japanese version)
副作用評価尺度:薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS; Drug Induced Extra-Pyramidal Symptoms Scale)

 これらの専門外来を受診した場合、これらの検査をすべて受けなければいけないわけではありません。実際にどの検査を施行するかはご希望に合わせて担当医とのご相談で決めてまいります。

 ご相談の内容によっては、一般初診のご予約をご案内したり、他院をご紹介したりすることがあります。できるだけ多くの患者さんを受け入れるため,原則的には、約3か月間、発症早期の治療を行った後は、皆様の近所の医療機関にご紹介しますが、当院での治療がより長く必要であると判断された場合、みなさまの同意が得られれば、治療を継続するケースもあります。

統合失調症早期診断・治療センター初診体制

月曜(午前) 水曜日(午前) 木曜日(午前) 金曜日(午前)
住吉 中込 吉村 竹田

精神科と同じく予約制です。ご予約の際に、これまでの受診歴と統合失調症早期診断・治療センター外来希望であることをお知らせください。
(初診)FAX予約FAX:042-346-1681
(再診)電話予約TEL:042-346-2190 平日13:00~16:00

ご紹介をお考えの診療所・病院の医療関係者の方へ

 精神病発症2年以内くらいの方を対象に,時間をかけた面接はもちろん,希望があれば認知機能・血液・画像・生理学的検査など多角的な評価を行います。統合失調症であると判断された場合,初期治療と並行して患者さんの様子をみながら疾患教育を柱とした心理教育を行います。これらの治療・教育はSDM(shared decision making: 患者本人と専門の治療チームが、必要な情報を共有しながら、協調的に最終的な治療方針の決定に至るプロセス)に従って協調的に行っていきます。できるだけ多くの患者さんを受け入れるため,当外来での観察期間は3ヶ月程度を予定しています。当外来での観察期間終了後、貴院での治療継続中もご希望の患者さん,担当医には,フォローアップの診察のお知らせや治療や生活に役立つ情報を定期的にお送りする予定です。ご紹介をお待ちしております。

セルフモニタリングシート

EDICS NOTEのモニタリングシートが足りなくなった方は、こちらをダウンロードしてご使用ください。
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研究

 当院は、高度専門医療研究センター病院として、さまざまな治験や臨床研究を推進しております。専門外来を受診なさったみなさまの中で、こうした治験や臨床研究にご関心のある方には、「患者登録」をお願いしております。ご登録いただいた場合は、他の医療機関に紹介された後も、定期的に経過のフォローアップを行わせていただくとともに、治験や臨床研究が立ち上がった際にはその旨をお知らせし、ご協力をお願いすることがあります。経過のフォローアップの結果につきましては、みなさまやみなさまの主治医にお伝えし、その後の治療に役立てていただきたいと思います。さらに、ご登録いただいた方には、ご希望される場合、みなさまやご家族に病気に関係する役立つ情報を発信していく予定です。

 治験や臨床研究は、新しい薬や治療法の開発にとってなくてはならないもので、みなさまのご協力が得られなければ進められないものです。治験によって、「薬の候補」の有効性や安全性を調べます。また、臨床研究を通じて、統合失調症という病気の原因や、薬ばかりでなくさまざまな治療法が役に立つものかどうかを調べることができます。それぞれの治験や臨床研究の内容について十分に説明を受けた後、参加されるかどうかをお決めください。

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