ホームレジデント・臨床研修臨床検査部 > 研修プログラム・臨床遺伝・遺伝カウンセリングコース

研修プログラム・臨床遺伝・遺伝カウンセリングコース

1.プログラムの目的と特徴

 本プログラムは、臨床遺伝学の専門的知識と技術を修得し、主に神経・筋疾患分野における遺伝性疾患の遺伝学的診断、遺伝カウンセリング能力を高め実践することを目的とする3年間の研修プログラムである。

 本プログラムの特徴は、遺伝カウンセリングの実践や遺伝子診断技術の取得を通して、神経・筋疾患の遺伝医療を適切に行う能力を養成し、臨床遺伝専門医の資格取得を目指す点にある。

 神経・筋疾患の多くは遺伝性疾患であり、現在のところ根治療法のないものが多い。当院の遺伝カウンセリング室では、各診療科の臨床症例の検討、遺伝子検査診断室で行っている遺伝子診断技術、及び、メディカル・ゲノムセンター(MGC)や神経研究所で行っている先端診断法の開発、病態解明および治療法の開発に関する研究成果などに立脚して、正確かつ最新の遺伝医学情報を提供している。このような特長を生かし、臨床症例経験、遺伝学的検査技術、研究開発を通した総合的な遺伝医学的医療を担う医師を養成する。

 また当院における遺伝カウンセリングは、単に正確で最新の遺伝医学の情報を提供するだけにはとどまらず、来談する患者・家族のニーズを的確に把握し、その家系に予想される心理社会的、倫理的な問題にも十分配慮しながら、臨床遺伝専門医、各科担当医、認定遺伝カウンセラーがチームを組んで行っている。遺伝カウンセリングスタッフや各科医師が参加するカウンセリング前後のカンファレンス、個々の検討会を通して、問題を多角的にとらえ全人的な遺伝カウンセリングを行う医師を養成する。

 応募資格は小児科、内科、産婦人科領域等での臨床経験2年以上で、週4日以上勤務が可能な者。神経疾患医療に従事した経験のあることが望ましいが、必要に応じて当院での臨床実習を経験できるように考慮する。

2.研修内容と到達目標

  1. (1)臨床遺伝学的知識と技術の習得
    遺伝医学、分子生物学の各種テキストおよび文献を精読の上、遺伝学的診断技術の知識を深め、病院臨床検査部遺伝子検査診断室、メディカル・ゲノムセンター、神経研究所での実習を通して、最新技術を習得する。
    1. PCR法
    2. サザンブロッティング法
    3. 塩基配列決定法(サンガー法、次世代シークエンス法)
    4. バイオインフォマティクス
    5. 生化学的検査法、など
  2. (2)遺伝カウンセリングの実践
    各種筋疾患、神経変性疾患、精神疾患等の遺伝カウンセリングの陪席、及び経験を通して、以下の遺伝カウンセリングの実践能力を取得する。
    1. 疾患ごとの遺伝医学的特徴の把握と適確な情報提供
    2. 来談者(当事者)の抱える問題の把握
    3. 来談者との信頼関係の形成および適切な援助
    4. 血縁者の遺伝的素因や疾患への配慮
    5. 来談者の自律的意思決定の尊重
    6. 倫理的・法的な問題の評価、必要に応じた来談者への提示や問題解決
    7. 他の医師、コメディカルスタッフ、院内外の関係各所との連携、など
  3. (3)臨床症例の検討
    自ら遺伝カウンセリング症例を経験し、遺伝カウンセリングカンファレンスで症例提示を行う。実践した遺伝カウンセリングの主訴、家系図、家族背景、遺伝医学的問題、心理社会的問題、倫理的問題などの検討を通して、自己分析能力、第三者の評価を受容する能力を養う。
  4. (4)臨床実習
    必要に応じて、神経内科、小児神経科、精神科等での臨床実習を行う。
  5. (5)その他
    当院は臨床遺伝専門医研修施設に認定されており、遺伝医学セミナーや日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会への参加など、臨床遺伝専門医資格の取得に関わる活動については、できるだけ配慮を行う予定である。また、平成24年度から、毎年「遺伝カウンセリングセミナー」を主催している。

週間スケジュール

  1. (1)遺伝勉強会
    月曜日 19:00‐20:00 に、臨床遺伝学の講義やセミナーを行っており、遺伝学の基礎知識を修得する。小児神経科、神経内科、精神科レジデントや病院内のコメディカルスタッフ等と合同で行う。
  2. (2)遺伝カウンセリング外来
    月、木曜日 9:00‐17:00 の遺伝カウンセリング外来において、遺伝カウンセリングの陪席、および症例を担当する。
  3. (3)遺伝カウンセリングカンファレンス
    第4火曜日 16:30-17:30 遺伝カウンセリングカンファレンスに出席する。遺伝カウンセリングの症例とその特徴や問題点を、遺伝医学的、心理社会的、倫理的側面から検討する。担当症例は自ら発表する。
  4. (4)遺伝学的検査前後の遺伝カウンセリング
    院内各科から遺伝病学的検査の依頼があったときに、検査前カウンセリングおよび結果説明のカウンセリングを行う。不定期。

3.指導医リスト

  1. 1)遺伝カウンセリング室 医長(併任):後藤 雄一
    (メディカル・ゲノムセンター長)

    北海道大 昭和57年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医・責任指導医
    小児科学会専門医
    小児神経学会専門医
  2. 2)遺伝カウンセリング室 医員(併任):竹下 絵里
    (小児神経診療部医員)

    獨協医科大 平成15年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医、小児科学会専門医
    小児神経学会専門医
  3. 3)遺伝カウンセリング室 医員(併任):清水 玲子
    (臨床研究支援部医員)

    東京女子医科大学 平成9年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医・指導医
    小児科学会専門医
  4. 4)病院長:村田 美穂
    筑波大大学院 平成4年修了
    医学博士
    内科学会専門医、神経学会専門医
  5. 5)外来部長:中川 栄二
    筑波大 平成元年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医、小児科学会専門医
    小児神経学会専門医
    てんかん学会専門医
  6. 6)神経内科診療部長:高橋 祐二
    東京大学大学院 平成15年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医、内科学会専門医
    神経学会専門医
  7. 7)小児神経科医員:石山 昭彦
    富山医科薬科大 平成12年卒 医学博士
    臨床遺伝専門医、産婦人科学会専門医
    小児神経学会専門医

*加えて、病院小児神経科、MGCに、臨床遺伝専門医が4名在籍しており、
 必要に応じて実地指導が受けられる。

[ 前へ戻る ][ TOPへ戻る ]