ホームトピックス一覧 > NCNP 精神保健研究所 吉池卓也 研究生
平成27年度 日本精神神経学会 国際学会発表賞(個人発表部門)を受賞

NCNP 精神保健研究所 吉池卓也 研究生
平成27年度 日本精神神経学会 国際学会発表賞(個人発表部門)を受賞

2016年7月21日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:水澤英洋)・精神保健研究所(所長:中込和幸)成人精神保健研究部(部長:金吉晴)吉池卓也 研究生は、平成27年度 日本精神神経学会 国際学会発表賞(個人発表部門)を受賞し、2016年6月4日の第112回日本精神神経学会学術総会会場において表彰されました。

 本国際学会発表賞は、日本精神神経学会の国際交流活動の活発化を目的として、国際学会で優れた発表活動をする若手医師の個人口頭発表もしくはシンポジウム組織を表彰する制度として設置されています。吉池卓也研究生は、同学会国際委員会による厳正な審査を経て、27th Annual Meeting of the Society for Light Treatment & Biological Rhythms (San Diego)における個人発表に対する褒賞として今回の受賞に至りました。

■受賞演題:Bright Light Facilitates Fear Extinction and Prefrontal Processing for Fear Extinction in Humans
Takuya YOSHIIKE, Motoyasu HONMA, Yoshiharu KIM, Kenichi KURIYAMA

 一般的な室内照度よりさらに10〜20倍明るい、人工照明が発する高照度光は、気分改善効果を示すことからうつ病の治療に用いられています。また、高照度光には概日リズムを調整する作用もあり、海外旅行や不規則勤務による時差ボケや睡眠覚醒リズム障害の治療にも用いられます。しかし、高照度光が注意、覚醒、記憶といった認知機能を高める効果に関してはほとんど調べられていませんでした。本研究は高照度光が、うつ病の近縁疾患である不安症の発症や再発において重要な役割を果たす恐怖条件づけ学習を抑え、不安症の治療に不可欠な恐怖消去学習を強化することを明らかにしました。高照度光は恐怖消去学習に必要な前頭葉の神経回路の機能的な結びつきを強め、感情を司る扁桃体の働きを鎮めることにより、恐怖消去学習を促進する可能性が示唆されました。これは、気分改善作用や概日リズム調整作用とは異なる機序によることが推測されます。不安症の認知行動療法は、恐怖消去学習を治療過程の中心に据え、複数の治療セッションを必要とする治療法ですが、高照度光照射を併用することにより治療を効率化・短期化でき、治療を受ける患者の負担が軽減されることが期待されます。
 

表彰式の様子
<表彰式の様子>

[ TOPへ戻る ]

当センター敷地内は禁煙です