ホームトピックス一覧 > 遠藤ゆかり(TMC臨床開発部・疾病研究第一部併任)らによる発表が、第55回日本小児神経学会学術集会 English Session 優秀演題賞(Dr.Sunao Tawara Award)を受賞しました

トピックス詳細

Whole Exome Sequencing Analysis on hereditary muscle disease with tubular aggregates
(Tubular aggregates を伴う遺伝性筋疾患家系のエクソーム解析)

遠藤ゆかり1)2)、本村和嗣1)、林由起子1)2)、小牧宏文3)、埜中征哉2)、西野一三1)2)
1)国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナルメディカルセンター 臨床開発部
2)国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第一部
3)国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科

原因不明の肢帯型筋ジストロフィーと診断され、tubular aggregatesという特徴的な病理像を認めた家系において、エクソーム解析(遺伝子解析)を行った。その結果、GFPT1遺伝子変異が疾患の原因であることを突き止めた。また発見された変異はこれまでに報告のない新規のものであった。GFPT1遺伝子異常は、肢帯型の先天性筋無力症を引き起こすことが知られており、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の内服治療が有効である。本症例においてもアセチルコリンエステラーゼ阻害剤治療が著効し、10年来歩行できずに車椅子生活を余儀なくされていた人が、歩行できるまでに回復した。本研究の結果は、肢帯型の筋力低下とtubular aggregatesがみられる症例の中に、治療可能な先天性筋無力症が潜在している可能性を示唆している。

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