国立精神・神経医療研究センター
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リカバリー(Recovery)

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 リカバリーとは、「人々が生活や仕事、学ぶこと、そして地域社会に参加できるようになる過程であり、またある個人にとってはリカバリーとは障害があっても充実し生産的な生活を送ることができる能力であり、他の個人にとっては症状の減少や緩和である」と定義されます1)

 すなわち、リカバリーは希望を持つことや会的役割の取得、意味のある人生の達成、他者とのつながりの取得などを含む幅広い概念であり、しかも個々が希望する自分になるための「プロセス(過程)」とその自分になった「アウトカム(結果)」の2つの側面を持ちます2,3)。 特に利用者個人にとっては、「プロセス(過程)」が強調され、そのプロセス(過程)は必ずしも右肩上がりの直線ではないかもしれません1,2)

 よって、リカバリーの内容やそのペース、ゴールは個々によって大きく異なります。

 リカバリーの概念は1990年代に米国で生まれ4)、21世紀になってから欧米を中心に徐々に広まりをみせ、2010年代ではリカバリームーブメントとして精神障害者支援における国際的な潮流となっています3)

 「リカバリー」という言葉自体は非常に多義的であるため、最近ではリカバリーを「臨床的リカバリー」と「パーソナル・リカバリー」という区分でわけて整理しています5,6,7)。特に後者の「パーソナル・リカバリー」については、個人の主観的な人生観なども入っており、単純な症状や機能の回復だけでは達成されない側面が含まれています2)




  1. President’s New Freedom Commission on Mental Health:Achieving the promise: transforming mental health care in America-Executive summary of final report (Rep. No. DMS-03-3831). Department of Health and Human Services, Rockville, 2003.
  2. Leamy M, Bird V, Le Boutillier C, et al: Conceptual framework for personal recovery in mental health:systematic review and narrative synthesis. Br J Psychiatry 199:445-452, 2011.
  3. Thornicroft G, Slade M:New trends in assessing the outcomes of mental health interventions. World Psychiatry 13(2):118-124, 2014.
  4. Anthony WA:Recovery from mental illness: the guiding vision of the mental health service system in the 1990s. Psychosoc Rehabil J 16:11-23, 1993.
  5. 山口創生, 松長麻美, 堀尾奈都記: 重度精神疾患におけるパーソナル・リカバリーに関連する長期アウトカムとは何か?. 精神保健研究 62:15-20, 2016.
  6. Slade M, Amering M, Oades L: Recovery: an international perspective. Epidemiol Psichiatr Soc 17(2):128-137, 2008.
  7. Cavelti M, Kvrgic S, Beck E, Kossowsky J, Vauth R: Assessing recovery from schizophrenia as an individual process. a review of self-report instruments. Eur Psychiatry. 27(1):19-32, 2012.