ACTとは
ACTプログラムは、重症の患者を精神保健福祉サービスにつなげ、地域での生活を支援するための集中的なモデルの1つです。Assertive Community Treatment の頭文字をとってACTと呼ばれます。その名称からも分かるとおり、ACT発祥の地は日本ではなくアメリカです。ACTプログラムは、長期に渡って病院に入院していたり、頻繁に入退院を繰り返したりしているケアの必要性の高い患者を、地域の生活の場で支援することを目的としています。特徴としては、以下のような事があげられます。
1. 様々な専門職(医師、看護師、ソーシャルワーカー等)がチームで取り組む
2. 1人のスタッフが受け持つ患者は10人程度とする
3. 患者さんの自宅を訪問するなど、地域での援助を原則とする
4. 24時間対応し、緊急時の対応も行う
地域で生活をしながら積極的な援助を受けることのできるこのプログラムは、利用者の生活の満足度を高めたり、入院期間を短くするなどの効果をあげることが欧米の研究で明らかになっています。より詳しく知りたい方は、各種資料のページからACTについてのパンフレットがダウンロードできますので、そちらをごらん下さい。
研究の目的
ACTプログラムが日本においても整備されれば、長期の入院患者が退院できたり、入退院を繰り返す人の入院回数が減らせたり、あるいは地域で生活しケアを受ける人の生活の満足度があがったり、ということが期待できると考えられます。日本においてはACTプログラムは未だ実施されていません。それは、今まで日本では援助の必要性が高い患者を生活の場で支援しようという発想があまりなく、そういう患者は入院による病院でのケアが適当だと考える人が多かったからかも知れません。
しかし最近になってようやく日本でも、精神障害者の地域生活支援が注目されるようになりました。精神障害者の居宅支援事業(ホームヘルプサービス)も平成14年度から市町村で実施されます。そのような流れのなかで、わが国で実行可能なACTプログラムのモデルを作り、その有効性を確かめることは非常に重要であり、かつ意義深いことであるといえます。
日本の実状にあったACTプログラムを整備しその有効性を検証すること、プログラム実行のための方法をガイドラインにまとめること、さらには有効性の明らかになったプログラムを広めていくこと、そのための政策提言を行うこと、これらが本研究の目的です。
