国立精神・神経医療研究センター
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厚生労働科学研究費補助金(障害保健福祉総合研究事業)
H13-15 年度分担研究総括

精神障害者の偏見除去等に関する研究

抄録

 統合失調症をはじめとする精神疾患に対するスティグマを軽減させるための活動を展開していくことは、今後我が国の精神保健福祉を充実させるうえで、ますます重要な課題になると考えられる。「統合失調症」への呼称変更は、そのような社会的活動の一環としてとらえられるが、当然のことながら、呼称変更だけでは解決に結びつかない問題も多々あると言えよう。そこで、反スティグマ活動をさらに推進していくために、精神障害に対する偏見・差別の現状とそれらを解決するために有効な具体的な方策を実証的に検討することが本分担研究の目的である。

 平成 13~15 年度の 3 年間、国内の幾つかの拠点(北海道十勝地区:13-15 年度、岡山地区 13-15 年度、仙台地区 13 年度、市川地区 15 年度)において、統合失調症や治療に関する正確な知識の提供、回復した当事者との良好な接触体験などが対象者にどのような影響を与えるかを、対照群を設定して前方視的に追跡する介入研究を実施した。さらに、国外のプログラムがそうであるように、フォーカスグループの手法を採り入れ、地域毎に異なる偏見の実状を当事者のニーズと合わせて把握したうえで介入対象と方法を設定することに重点を置き、当事者主体の原則に立ち返った反スティグマ研究となることを旨に活動を進めてきた。

 その結果、フォーカスグループの有用性が明らかとなり、一定の限界はあるものの、講義と当事者との接触体験を組み合わせた短期間の介入プログラムの有効性が示唆された。少人数の集団において、協同作業を基調に双方向的なコミュニケーションを図りながら、当事者の人生や生活に重点を置くことが、介入プログラムを効果的なものにすると考えられた。波及効果を意識すること、当事者自身が参加できる普及・啓発団体であるスピーカーズ・ビューロウの設置の意義なども確認された。

 3 年間で得られた知見をもとに、地域で統合失調症の偏見除去を軽減するためのプログラムを実施するに当たって重要と思われる点を提言としてまとめた。

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