タイトル画像 抗精神病薬の適正化 [SCAP method]

背景

抗精神病薬が登場して60年あまり。歴史的には多剤化や大量処方が推奨されていたこともありました。その後、薬物開発の進歩などの背景もあり、 現在では特に我が国において過剰な多剤大量処方を是正すべき動きがみられています。ところが、すでに多剤大量処方されている患者さんに対して、 処方薬の種類を減らすことは容易ではなく、安定した状態のまま薬剤数や量を減らしていくための科学的根拠に基づく処方ガイドラインが求められていました。

SCAP法(Safety Collection for Antipsychotics Poly-pharmacy and hi-dose)

我が国における抗精神病薬の多剤大量処方の安全で効果的な是正の方法について、 平成22-24年度厚生労働科学研究費補助金 「抗精神病薬の多剤大量処方の安全で効果的な是正に関する臨床研究」(研究代表者 岩田仲生 藤田保健衛生大学教授) 班は、1つづつ、ごく少しづつ、休んでも戻しても可とした減量方法 (SCAP法) で、2剤以上CP(クロルプロマジン換算) 500~ 1,500 mg/ dの入院・外来の統合失調症患者 (55施設、163名) の臨床試験を実施し、SCAP法は忍容性*1に優れ安全性*2と効果*3は、減量してもしなくても 変わらない結果を見いだしました。
本シートは、精神科医療関係者がSCAP法による減量を行う際、それを支援するためのβ版ツールです。

*1症状悪化等による脱落  *2DIEPSS, UKU-11による評価  *3Manchester scale, CGI-S, GAF, EQ5Dによる評価
参考: http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD01.do?resrchNum=201224056A
助川鶴平:臨床精神薬理、第14巻3号511-515、2011.

このシートを使うにあたって

臨床研究では以下の要件での効果を確認していますが、使用にあたっては担当患者様の状況に合わせた臨床的な視点が不可欠です。

  • 減量は状況に応じて毎週・あるいは2週ごとに1回、を繰り返す
  • 減量は1回あたり1剤、シートの減量限界以内 (つまり減らさない・戻すことも可能)
  • 減量期間は3ヶ月から6ヶ月
  • 新規薬剤の切替や上乗せはしない
  • このシートは処方現状を把握し、減量計画をたてるための処方支援ツールであり、臨床研究で行った尺度等は掲載していません。
  • 個別の患者様の減量法、薬剤選択などの相談等には応じておりません。
  • 精神科医療関係者用のツールです。患者様、ご家族が使用するものではありません。
  • 臨床研究の詳細な結果、より詳しい使用ガイドなどは後日公表いたします。
  • 使用はフリーですが、計算式を含むシートであるため部分転用等にはご注意ください。

このシートの使い方

エクセルになっています。入力法は、減量支援シートの使い方ページを参照ください。

ダウンロード

減量支援シート【ダウンロード】
減量支援シートの使い方
減量支援シートに関する発表資料: 2014日本精神神経学会より

SCAP Group

  • 岩田仲生(藤田保健衛生大学)
  • 助川鶴平(国立病院機構鳥取医療センター)
  • 吉尾隆(東邦大学)
  • 稲垣中(青山学院大学)
  • 稲田俊也(財団法人神経研究所)
  • 吉村玲児(産業医科大学)
  • 山之内芳雄(国立精神・神経医療研究センター)