金 吉晴(KIM, Yoshiharu, MD, PhD)

成人精神保健研究部長
災害時こころの情報支援センター長
精神保健指定医、医学博士

研究テーマ

外傷後ストレス障害(PTSD)の病態解明と治療
自然災害、DV、犯罪被害等のもたらす精神健康被害の研究と対策
自殺遺族支援研究
薬害HIV遺族支援対策
統合失調症のスティグマ対策
精神鑑定における精神医学的診断評価

活動紹介

精神科医。元々は統合失調症の精神病理学が専門であり、この病名を現在のものに変更する際に、日本精神神経学会の担当委員会で活動した。
ペルー日本大使公邸人質占拠事件で、政府医療団の一員として現地に派遣され、その後、PTSD研究に取り組む。PTSDをめぐる誤解と混乱を終息させ、当たり前の医療のひとつとして位置づけることを目指してきた。
その後も厚生労働省の専門家として、和歌山カレー毒物混入事件、池田小学校児童殺傷事件、キルギス邦人人質事件、新潟中越大地震、能登半島地震、東日本大震災等で現地に赴き、対策等への助言を行っている。
災害時地域精神保健医療活動ガイドライン(2003)をとりまとめ、全国の自治体で活用されている。PTSD治療として、現在、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor: SSRI)であるparoxetine, sertralineと、認知行動療法である持続エクスポージャー療法(PE)が保険適用となっているが、その実現に尽力した。
PTSD薬物療法の国際アルゴリズム作成のメンバーとなり、その成果を翻訳出版している。特にPEについては日本で初めて取り入れ、創始者であるペンシルバニア大学のフォア教授と研究協力書を締結し、二度にわたって招聘してワークショップを行い、同大学より指導者として認定を受け、精力的に臨床家を育成している。2016年からは韓国でもワークショップを開催した。PTSDの代表的な国際学会であるInternational Society for Traumatic Stress Studiesのアジアからの初の理事を務めている。
現在は、PTSDの病態解明研究、治療法開発、災害時精神医療対応ガイドライン改訂などに取り組んでいる。

略歴

1984年 京都大学医学部卒業 同病院精神科にて研修
1994年 国立精神・神経センター精神保健研究所 研究員
1995年 ロンドン精神医学研究所
1997年 厚生大臣表彰:ペルー人質事件での精神医療活動に対して
2002年 国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部長
2004-2005年 日本トラウマティックストレス学会会長
2011年 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 災害時こころの情報支援センター長
2012年(至現在)International Society for Traumatic Stress Studies 理事
(招聘教授) ニューヨーク大学 医学部
(連携教授)東京大学 医学部
(客員教授)東北大学 医学部、山梨大学医学部 医学部
(非常勤講師)京都大学医学部

役職等

International Society for Traumatic Stress Studies理事
日本トラウマティックストレス学会 常任理事
World Psychiatric Association: the committee of psychopathology 委員
精神神経学会 ガイドライン委員会 委員
International pharmacological algorithm project, PTSD algorithm committee 委員
トラウマティックストレス誌 編集委員長
日本精神神経学雑誌 編集委員
Cognitive Neuropsychiatry誌 編集委員
Psychopathology誌 編集委員  等

業績

[ 主な出版物 ]
2017 金吉晴. トラウマの過去. みすず書房、東京. (Mark Micale, Paul Lerner eds. Traumatic Pasts. Cambridge University Press, 2001)

2014 金 吉晴,中島聡美,小林由季,大滝涼子:青年期PTSDの持続エクスポージャー療法-‐治療者マニュアル‐.星和書店,東京.(Edna B. Foa, Kelly R. Chrestman, Eva Gilboa-Schechtman: Prolonged Exposure Therapy for Adolescents with PTSD. Emotional Processing of Traumatic Experiences. Therapist Guide, Oxford, 2009.)

2014. 金 吉晴【監訳】:PTSDハンドブック‐科学と実践.金剛出版,東京.( Matthew J. Friedman, Terence M. Keane, Patricia A. Resick:Handbook of PTSD: Science and Practice, New York, 2007)

2012. 前田正治,金 吉晴:(編集)PTSDの伝え方:トラウマ臨床と心理教育.誠信書房,東京. Kim Y, Tsutsumi A, Izutsu T, Kawamura N, Miyazaki T, Kikkawa T: Persistent distress after psychological exposure to the Nagasaki atomic bomb explosion. 2011 Br J Psychiatry. 199:411-6.

2010. 金 吉晴:狂気の道徳化. In:濱中淑彦(監訳).中世の狂気、人文書院、東京.( Muriel Laharie. La fole au Moyen Age, Le Leopard d’Or, Paris, 1991)

2009. 金 吉晴,小西聖子(監訳): PTSDの持続エクスポージャー療法.星和書店,東京,2009. (Foa, E., Hembree, E., Rothbaum, B.: Prolonged exposure therapy for PTSD. Oxford University Press, New York, 2007)

2007. 金 吉晴,原恵利子:PTSD薬物療法アルゴリズム.メディカルフロントインターナショナル,東京.

2006. 金吉晴〔編集〕:心的トラウマの理解とケア第2版.じほう,東京

2006. 松岡恵子, 金 吉晴:知的機能の簡易評価実施マニュアル.In:Japanese Adult Reading Test (JART).新興医学出版社, 東京.

2004. Kim Y: Japanese attitude towards insight in Schizophrenia. In: Insight in schizophrenia 2nd ed. Oxford University Press, Oxford.
Kim Y, Berrios G: Impact of the term schizophrenia in the culture of ideograph. 2001Schizophr Bull. 27:181-185

1992. 金 吉晴:スキゾフレニア診断学の方法論的検討.精神神経学雑誌.94:711-737.

[ 主な業績 ]
・和文業績(PDF)
・英文業績(PDF)

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