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被害にあわれた方、ご家族の方へ

被害にあわれた方のご家族・関係者へ

被害者への接し方

それでは、実際にどのように接したら、不用意に被害者を傷つけずに済むでしょうか。もちろん、これには絶対的なマニュアルがあるわけではありません。人によって受け止め方も違います。しかし、ある程度共通していると考えられる対応について、ここでは取り上げました。

被害者を責めない

二次被害として最も多いものは、犯罪の原因などについて、周りの人が被害者を責めることです。例えば、「女性が暗い夜道を一人で歩くなんて、レイプしてくれといわんばかりじゃないか」などというものがそれです。
 でもよく考えてみてください。昼間だろうと、夜だろうとレイプの罪にはかわりはないのではないでしょうか。したがって被害者を責めるのは間違っているだけでなく、被害者の罪悪感、自責感、苦痛を強めるだけにすぎないのです。

被害者の罪悪感や自責感を助長しない

被害者はたいてい、何も言われなくても罪悪感や自責感を感じてしまいます。自分のとった行動に対して、あるいは自分がもっと抵抗すれば防げたのではないかなどについて、自分を責め後悔しているのです。ですから例えば、慰めようと思って「あなたが、もう少し早く帰っていたらねえ」などと言うと、自分はそうするべきなのにしなかったということで、被害者は自分をますます責めてしまいます。「あの時ああしていたら」というような言葉は、被害者の罪悪感や自責感を強めるだけで何の役にもたたないものです。

被害者の気持ちをよく聞く

大切なことはむしろ、辛い気持ちをよく聞いてあげることです。このような時は無理やり聞き出すのではなく、被害者が話せることをゆっくり聞くことが大切です。被害者の話を批判したり、批評したりせずに、そのまま受け止めてあげましょう。

被害者が悪いわけではないことを理解してもらう

被害者がどのようなことで罪悪感を感じているかがわかったら、そのように思う必要がないことを説明してあげましょう。例えば、自分のとった行動を責めている場合には、「責任は加害者にあってあなたが悪いわけではない」ことを話してあげましょう。また、加害者に抵抗することはとても困難なことや、被害者はできることを十分につくしたことを話しましょう。ただ、こういうことはすぐに被害者に受け入れられるわけではありませんから、「自分はこう思っているよ」と伝えるだけで十分です。

被害者がおかしいわけではないことを知ってもらう

被害者は、自分に何か問題があるので、被害にあったと思いがちです。また、被害後の精神的な混乱やさまざまなトラウマの症状のために、被害者は自分が精神的におかしくなった、あるいはおかしくなるのでは、と心配します。ですから、被害者には「精神的に混乱するのは、ひどい被害にあったのだから当たり前だよ」ということを伝えてあげると、ほっとすることが多いのです。

大切なことは、被害者がおかしいのではなく「ひどい被害にあった人に見られる自然な反応」という理解を、周囲も本人もすることなのです。

被害者の感情を認める

特に急性期の被害者は、精神的な麻痺から感情を表現できないことがありますが、それ以外にも感情を表現しにくい理由があります。周囲から感情を出すことをとめられることがあるのです。例えば「泣いてばかりいてはいけない」とか、「早く落ち着きなさい」「そんなに怒ってはいけない」など言われることがあります。

しかし、被害者が安心して感情を出せることは、精神的回復に有用です。特に、怒りについて周りの人は受け止めにくいことが多いようです。もちろんいわれのない怒りを受けたり、攻撃的な行動を甘受する必要はありませんが、加害者への怒りなどは、「そう感じるのは当たり前」というふうに、被害者の感情を正当なものと見なしてあげるほうがよいでしょう。

被害者を無力化せず、有力化する

被害者を無力化してしまうこと―実はこれも、れっきとした二次被害です。

被害者を無力化するとは、例えば、被害者を気遣うあまり、被害者がどうしてもしないといけないこと(葬儀に出ることや、産婦人科に行くことや、警察に届け出た場合は事情聴取など)を安易にしなくていいようにすることです。

被害者は、被害にあったことで、自信を失っています。さらに、自分の感情などをコントロールできなくなってしまったことから、自分を弱い存在だと感じ、何もできないと思ってしまうのです。さまざまな恐怖心から、外出できなくなったり、一人でいることができなくなったりして、自分はだめだ、すっかり弱くなってしまったと決めつけるのです。

そのような状態にある被害者にかわって、何でもやってあげたりすることは、かえって「あなたは何もできない」と言っているのと同じことです。そのようなことをしないためには、被害者の意思を尊重し、判断できるようにすることが大切です。被害者が自分で考え、判断できるように、情報と選択肢を提供することです。そうすることで、被害者は自分が主体であり、迅速な判断はできなくても、自分の周りに起こっていることは自分が知っていることであり、自分の判断に基づいていることがわかり、少しずつ自信を取り戻すことができるのです。

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