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被害にあわれた方、ご家族の方へ

犯罪被害後の心理的影響

ご遺族の方に表れる反応 −悲嘆反応−

犯罪被害者の遺族の方にも、これまでにあげたような心理的反応が表れますが、遺族の方に特有なものが「悲嘆反応」です。
 どんな場合でも、家族や親しい友人など愛する人が亡くなることは大変つらい体験です。特に、犯罪のように突然、予期しない形で親しい人が亡くなると、悲しみが長く続いたり、自責感や罪責感などを抱いたりする、複雑で多様な「悲嘆反応」が表れます。

悲嘆反応とは

親しい人を亡くすと、悲しみや思慕などさまざまな気持ちが表れます。このような死に対するこころの反応を「悲嘆反応」といいます。悲嘆反応は、時間が経つにつれて変化していきます。

1. 急性期(数週間から数か月)

このような時は、周りから見ると、非常に落ち着いて見えるため、周囲から「気丈な人だ」、「しっかりしているから大丈夫」「冷たい」など誤解を受けてしまう場合があります。
 この時期が過ぎると、しだいに死を現実のものとして感じるようになるため、激しい悲しみが表れてきます。

2. 慢性期(数か月後)

数か月経つと、少しずつ死の事実を認めるようになり、遺族自身の生活が再建されてきます。しかし、この過程で、喪失に対する悲哀や抑うつ、怒り、不眠や身体的不調などさまざまな反応が表れてきます。

 以下に遺族の方によく見られる気持ちをあげました。

悲しみ
悲しみは、当たり前にわいてくる感情ですが、人によってその表現は異なります。
怒り
怒りは、出来事そのものに対する理不尽さ、自分がとり残されてしまった怒り、このような犯罪に対処できなかった社会制度などに向けられます。また、行き場のない怒りは、他の家族や友人に向けられることもあります。
罪悪感と自責感
故人に対して、生前「もっとこうしてあげればよかった」とか、「あの時電話をしていれば助かったのに」とか、「外出を止めればよかった」など、自分が助けられなかったことに対して罪悪感や自責感が生まれます。ほとんどの場合、実際にそのようにすることはできなかったでしょうが、しなかった自分を責めずにいられません。「自分を責める必要はない」「そういっても無理なことだった」などと、周囲の人が慰めてくれても、なかなか受け入れがたいものです。
不安感
亡くなった人が生活やこころの支えであった場合、その人なしでこれからどうしたらいいかわからないという不安が生じます。また、死を実感したことで、自分自身や他の家族の死の不安が出現することもあります。
孤独感
他の家族や友人がいてもひとりぼっちだという感情が現れ、特に、配偶者を亡くした遺族には強いです。
疲労感
喪失のストレスからくる疲労です。

ここにあげたことは、大切な人を失った場合には通常に見られる反応です。このような感情を初めて経験すると、自分が精神的におかしくなってしまったのではないかと思ってしまうこともありますが、そうではありません。時間の経過とともに、落ち着いてくることが多いのです。
 しかし、人によっては悲嘆反応が長期化したり、複雑な症状を呈することがあります。そのような悲嘆反応は、「複雑性悲嘆(外傷的悲嘆)」といわれています。

複雑性悲嘆(外傷性悲嘆)とは

突然の予期しない死、事件など暴力的な死など大変衝撃を受けるような死別を体験する場合に、とくに生じることが多いです。以下に症状の例を挙げます。

以上のような症状のいくつかが6か月以上続いて、そのために日常生活や社会生活がうまくできなくなっている場合には、「複雑性(外傷性)悲嘆」の状態にあると考えられます。このような状態の時には、こころの専門家に相談をすることをお勧めします。

悲嘆反応および、複雑性悲嘆については、こちら(長引く悲嘆に悩んでいる方へ 複雑性悲嘆のための心理療法(CGT)研究ウェブサイト)もご参照ください。

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