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精神医療、心理関係者の方へ

さまざまな犯罪の被害者への治療・対応

性暴力被害者のメンタルヘルスと治療

このページでは、性暴力の被害にあった女性が、相談機関や医療機関に来院した時に理解すべきこと、気をつけるべきことを挙げています。心理的な問題だけでなく、性感染や妊娠の不安などに的確に対応できることも必要です。

性暴力被害後によく生じる精神症状

解離を伴っている状態では、注意が減退し、面接に集中できないことがあります。こうした場合は、被害者の様子を観察し、意識状態を確認して、現実に引き戻しながら、話を聴くようにしましょう。一方で感情の麻痺が生じたり、記憶の回避が行われやすく、症状の身体化・行動化が頻繁に見られることもあります。

対応のポイント

ここでは、性暴力被害にあった方に直接対応する際に必要と思われるポイントを挙げました。

  1. 日常生活を具体的に把握し、安全を確認する
    性感染症や妊娠のリスクが考えられる場合にはまず医療機関の紹介をしてください
  2. 心理教育を行う
    • 症状と被害後によく生じる心理的な問題を本人の状態に即して話してください
    • 気晴らしの方法や少しでも興味が持てるもの、すでにできていること、工夫していることなども聴きそれを認めることが大事です
    • 日常生活と被害者の精神症状を具体的に把握し、アセスメントした結果を伝えるようにしましょう
  3. 被害者の意見を尊重しながら必要時には適切な機関の紹介をする(警察内の「性犯罪被害」相談窓口など)
  4. 体験を聴く際のポイント
    • 被害者に不信感を与えないためにも、支援者はどのような立場(職種)で話を聴くのかを明確に伝え、被害の話をしていいこと、秘密は守られることを約束します
    • 本人の相談動機や治療目標を確認し、被害者が求めている支援を提供するように配慮しましょう
    • 二次被害を与えないように配慮しましょう。被害者の話を受容的で共感的に聴き、被害者に「ここでは必要以上に傷つけられないこと」を感じてもらうことが肝心です
    • 性暴力の話は、本人の意向を尊重し、無理強いはせずに、話せる部分を話してもらうようにしましょう
    • 被害の話を聴いた後はクールダウンの時間を取り、帰宅できる状態であるかどうかを確認するようにしましょう

    ◎被害の話をするたびに何回もフラッシュバックが起こり、解離症状が強い場合
    →無理に被害の話を聴く必要はありません。初回面接で被害の話を聴くことができないと判断した場合には、最低限妊娠のリスクや日常生活の安全性を確認することが先決です。

  5. 家族や周囲へのサポートを行う
    家族も突然起こった事態に混乱し、どのように接すればいいのかわからず対応に困っていることもあるでしょう。薬物療法や心理療法の必要性を説明するなど、家族に対する心理教育は非常に大切です

出典:吉田博美:第三部第二章 性暴力被害者のメンタルヘルスと治療.小西聖子編「犯罪被害者のメンタルヘルス」,誠信書房,2008.より抜粋

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