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司法精神医学研究部

刑事責任能力鑑定RECRUIT

目次

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共同研究と研究協力

刑事責任能力鑑定

刑事責任能力鑑定とは

刑事責任能力は法律家(と裁判員)が判断するものです。しかし、その判断をするときに、精神医学的な知識や経験が不足していて、困ることがあります。そのような場合に、精神科医の力を借り、知識と経験を補充するのが「刑事責任能力鑑定」です。

刑事責任能力鑑定の種類

検察官がその事件を起訴するかどうかを判断する際に、参考として行われるのが「起訴前鑑定」です。起訴前鑑定には、通常の勾留期間中に半日〜1日で行われる「簡易鑑定」と、通常2ヶ月程度の鑑定留置期間を別途もうけて行われる「起訴前本鑑定」とがあります。
起訴後に裁判所の判断で行われるのが「公判鑑定」です。最近では公判前整理手続きのなかで行われることも多く、とくにこの場合を「公判前鑑定」と呼んで区別することもあります。

刑事責任能力

刑事責任能力とは

日本の刑法では「心神喪失者の行為は、罰しない。(刑法第三十九条)」および「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。(刑法第三十九条2)」と定められています。これにしたがって刑事責任能力は、
 1.責任無能力(心神喪失)=無罪
 2.部分責任能力(心神耗弱)=有罪だが減刑
 3.完全責任能力=有罪
という3つに区別されています。
起訴前であれば検察官が、上記の1や2の判断のもとで、公訴を提起をしない、つまり裁判をしない(不起訴、起訴猶予)ことがあります。
起訴されて裁判になったときには、裁判官と裁判員が刑事責任能力について、上記の1〜3のいずれであるかを決定します。いずれも、鑑定人はその判断のための参考資料を提出するのであって、最終的な決定をするわけではありません。

責任無能力(心神喪失)

刑法の「心神喪失者の行為は、罰しない。(刑法第三十九条)」によるものです。具体的には、精神の障害によって、善悪の判断をする能力またはその判断にしたがって行動をする能力が失われている状態、などとされます。

部分責任能力(心神耗弱)

刑法の「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。(刑法第三十九条2)」によるものです。具体的には、精神の障害によって、善悪の判断をする能力またはその判断にしたがって行動をする能力が著しく障害されている状態、などとされます。

完全責任能力

刑法の「心神喪失者」「心神耗弱者」のいずれでもない場合のことです。つまり具体的には、 (1) 精神の障害がないとき、 (2) 精神の障害があってもその精神の障害によって、善悪の判断をする能力もその判断にしたがって行動をする能力も障害されていないとき、あるいは (3) そうした能力が障害されていたとしても、その能力の障害の程度が「著しい」に達しない場合には、完全責任能力ということになります。

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鑑定書作成の手引き
刑事責任能力に関する精神鑑定書作成の手引きです。
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関連する研究業績

総説 原著 著書 翻訳 報告書 その他

総説

岡田幸之: 精神鑑定とうそ. こころの科学156: 28-32, 2011.
岡田幸之, 安藤久美子: 裁判員にわかりやすい精神鑑定結果の報告. 精神医学, 53(10): 947-953, 2011.
岡田幸之,安藤久美子,五十嵐禎人,黒田治,樽矢敏広,野田隆政,平田豊明,平林直次,松本俊彦:刑事責任能力に関する精神鑑定書作成の手引き(第4版).精神保健研究22(55):65-68,2010.
安藤久美子,岡田幸之:家族病理の視点からみた司法精神鑑定.家族療法研究27(3):pp242-247,2010.
岡田幸之、安藤久美子:自閉症スペクトラム障害にみられる特徴と反社会的行動. 精神科治療学25(12), 1653-1660, 2010.
岡田幸之:裁判員制度における精神鑑定.司法精神医学4(1):88-94,2009.
岡田幸之:刑事責任能力と精神鑑定―精神医学と法学の再出発.ジュリスト1391:82-88,2009.
岡田幸之,松本俊彦,五十嵐禎人,黒田治,平林直次,安藤久美子,野田隆政,樽矢敏広,高木希奈,平田豊明:刑事精神鑑定所の書き方―「刑事責任能力に関する鑑定書作成の手引き」の開発―.精神科治療学23(3):367-371,2008.
岡田幸之:刑法39条とその周辺についての精神医学的視点からの考察.司法精神医学3(1):83-87,2008.
岡田幸之:刑事精神鑑定−医療観察法施行後の変化−.こころの科学132, 42-46, 2007.
岡田幸之,野田隆政,安藤久美子,松本俊彦,樽矢敏広,吉澤雅弘,高木希奈:米国の刑事責任能力鑑定−「米国精神医学と法学会 心神喪失抗弁を申し立てた被告人の精神鑑定実務ガイドライン」の紹介(その3):鑑定の実務と倫理にかんする留意事項−.犯罪学雑誌73(2): 36-47, 2007.
岡田幸之,吉澤雅弘,高木希奈,野田隆政,安藤久美子,松本俊彦,樽矢敏広:米国の刑事責任能力鑑定−「米国精神医学と法学会 心神喪失抗弁を申し立てた被告人の精神鑑定実務ガイドライン」の紹介(その2):心神喪失抗弁における精神活性物質中毒と非伝統的な精神障害の扱い−.犯罪学雑誌73(1): 15-26, 2007.
岡田幸之,松本俊彦,樽矢敏広,吉澤雅弘,高木希奈,野田隆政,安藤久美子:米国の刑事責任能力鑑定−「米国精神医学と法学会 心神喪失抗弁を申し立てた被告人の精神鑑定実務ガイドライン」の紹介(その1):刑事責任能力判断の要点とその変遷−.犯罪学雑誌72(6): 177-188, 2006.
岡田幸之:米国の法廷の中のPTSD. トラウマティック・ストレス 4: 9-14, 2006.
岡田幸之:PTSD診断と法律.こころの科学129, 54-60, 2006
岡田幸之:PTSDと法律をめぐる問題−医学的評価と法的判断−.看護技術10: 58-63, 2005.
岡田幸之:刑事責任能力再考−操作的診断と可知論的判断の適用の実際.精神神経学雑誌107(9): 920-935, 2005.

原著

岡田幸之,安藤久美子,黒田治,五十嵐禎人,平林直次,松本俊彦,樽矢敏広,野田隆政,平田豊明:裁判員制度における精神鑑定の課題−全国の模擬裁判に参加した精神科医らの意見調査から.精神科14(3):183-189,2009.

著書

岡田幸之: 12章 精神鑑定(精神鑑定, 統合失調症, 気分障害, パーソナリティ障害, 物質関連障害, 酩酊と責任能力, ICDとDSM, 精神障害者による殺人, 疾病の偽装と隠ぺい, 健忘, 刑事裁判の訴訟能力に関する鑑定, 責任能力の基準). 法と心理学事典. 朝倉書店, 東京, pp518-566, 2011.
安藤久美子: 12章 精神鑑定(発達障害, アスペルガー障害, 精神遅滞(知的障害), 性嗜好障害(異常), 外傷性記憶と法廷, 精神保健福祉法における通報と措置診察, 精神保健福祉法による入院). 法と心理学事典. 朝倉書店, 東京, pp518-566, 2011.
岡田幸之: 「V. 鑑定書」B. 簡易精神鑑定書. C. 1. 刑事精神鑑定書. 山内俊雄, 松原三郎編: 精神科医のためのケースレポート・医療文書の書き方「実例集」. 中山書店, 東京, pp395-404, 2011.
岡田幸之: 「刑事責任能力」. 松下正明総編: 精神医学キーワード事典. 中山書店, 東京, pp394-396, 2011.
岡田幸之: 不可知論の「カチ」−刑事精神鑑定の基本問題から−. 精神科臨床はどこへいく. 日本評倫社, 東京, pp134-137, 2011.
中谷陽二,五十嵐禎人,椎名明大,安藤久美子,岡田幸之,黒田治,田口寿子,藤崎美久,勝田聡,鈴木正利,原口正,吉澤雅弘:日本司法精神医学会裁判員制度プロジェクト委員会編;だれでもわかる精神医学用語集―裁判員制度のために―.民事法研究会,東京,2010.
岡田幸之:6.裁判員制度と精神鑑定.専門医のための精神科臨床リュミエール1.刑事精神鑑定のすべて.五十嵐禎人(編)中山書店,63-76,2008.
安藤久美子:8.発達障害(Asperger症候群).専門医のための精神科臨床リュミエール1.刑事精神鑑定のすべて.五十嵐禎人(編)中山書店,160-172,2008.
岡田幸之:精神鑑定と裁判員裁判.精神医療と法,編集代表:中谷陽二. PP.105-121.弘文堂.東京,2008.
岡田幸之,安藤久美子:諸外国における刑事精神鑑定−アメリカ−訴訟能力の判定.総編集:松下正明,編集:山内俊雄,山上皓,中谷陽二:司法精神医学2 刑事事件と精神鑑定.中山書店,東京,2006.
安藤久美子,岡田幸之,小泉義紀:諸外国における刑事精神鑑定−カナダ−司法システムと精神鑑定.総編集:松下正明,編集:山内俊雄,山上皓,中谷陽二:司法精神医学2 刑事事件と精神鑑定.中山書店,東京,2006.
岡田幸之,金吉晴,岩井圭司:PTSDの精神鑑定ガイドライン.心的トラウマの理解とケア第2版.じほう,東京,2006.

翻訳

(準備中)

報告書

(準備中)

その他

(準備中)


共同研究と研究協力

日本弁護士連合会への研究協力
「裁判員裁判における精神鑑定のあり方に関するアンケート調査」です。
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