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・第17回日本時間生物学会学術大会 臨床部門 優秀ポスター賞 (2010年11月21日)
反応抑制学習促進の時間生物学的特性
本間元康、島崎みゆき、小山さより、金吉晴、栗山健一

 多くの学習は、睡眠中に神経再構築が起こり学習が促進され、知らぬ間に寝る前よりも上達していることが明らかにされています。本研究で扱った、反応抑制という高度な識別‐抑制に関わる脳機能は、おいしいご馳走の中に毒のある部位がランダムに潜んでいるような状況下でも、限られた時間の中で毒の部分を寸前で避け、安全で美味な部位のみ選択していただく為の高度な認知要素を含んでおり、ヒト以外でこのような認知機能を高度に備えている動物は少ないと考えられています。そして、この識別‐抑制学習においては睡眠中に学習が進まず、むしろ昼間覚醒中の特定時間帯に学習プロセスがひっそりと進み、練習を繰り返さなくても一定時間経過後には上達する特殊な性質を持っていることを、工夫した学習-再試スケジュールを用いて明らかにしました。これは、ヒトの進化の過程で睡眠および概日リズムの記憶認知機能における適応的役割を知るうえで貴重な手がかりを含んでいます。

(文責:栗山健一)