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・後藤隆章氏(知的障害研究部)が、日本小児神経学会の若手優秀ポスター賞を受賞しました
第53回日本小児神経学会総会 若手優秀ポスター賞 優秀賞
Developmental Dyslexia児におけるワーキングメモリ課題中の脳血流応答特性に関する研究
後藤隆章、北洋輔、小池敏英、稲垣真澄

Developmental Dyslexia児(以下DD児)における読みの習熟の問題には、ワーキングメモリの脆弱性が影響すると言われています。ワーキングメモリとは、見聞きした情報を保持しつつ、その情報の処理を並行して行うダイナミックな記憶システムです。読み書きや語彙の学習において重要な役割を果たすとされています。本研究では、ワーキングメモリ課題の一つである逆唱課題を作成し、定型発達児とDD児に課題を実施しました。課題中における前頭領域の脳血流動態を近赤外線スペクロスコピー(NIRS)によって測定を行いました。その結果、定型発達児では逆唱課題の成績が良好であるほど左側前頭前野背外側部が賦活しており、同領域がワーキングメモリの効率化に関与していると考えられました。一方、逆唱課題の成績が著しく低かった複数のDD児では、右側前頭前野背外側部に強い賦活を認めました。このことより、DD児のワーキングメモリの脆弱性には、非定型な脳活動が関与していると考えられました。本知見は、今後、DD児の認知機能を解明・評価するにあたり、脳機能計測を踏まえた包括的なアプローチが必要であることを示唆しました。