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・嶋根卓也氏(薬物依存研究部)が、日本アルコール・薬物医学会において、臨床部門の優秀演題賞を受賞しました
第46回日本アルコール・薬物医学会 優秀演題賞(臨床)
薬局薬剤師を情報源とする向精神薬の乱用・依存の実態把握に関する研究
嶋根卓也(薬物依存研究部) 松本俊彦 和田清

近年、睡眠薬や抗不安薬などの向精神薬による薬物依存は増加傾向にあり、向精神薬の適正な処方や使用が求められています。本研究では、向精神薬の重複処方(同種同効の薬剤が複数の医療機関から同一患者に重なって処方されること)の一端をつかむために、実際に向精神薬が患者様に手渡される調剤薬局に着目した実態調査を行いました。埼玉県薬剤師会の協力のもと、平成22年の調剤情報(レセプト)を調べたところ、計119件の重複処方事例(平均70歳)が見つかりました。
最も頻繁に重複した薬剤はエチゾラム(デパス、他)で、内科と整形外科の組み合わせで重複する頻度が高いことがわかりました。エチゾラム重複処方の背景として、1)向精神薬に指定されていないため、処方日数の上限がないこと、2)後発医薬品の数が多いため、重複が見逃されている可能性があること、3)適用症が幅広いため、複数の診療科から処方される機会が多いこと、が考えられました。エチゾラムは薬物依存のみならず、急な増量により転倒リスクを高めるという報告もあります。したがって、処方日数の上限を設けるなどの何らかの規制を今後検討する必要があると結論づけました。