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我が国の一般児童・生徒における自閉症的行動特性と"不器用"との関連性

飯田悠佳子(児童思春期精神保健研究部)、中井昭夫(福井大学 子どものこころの発達研究センター)、森脇愛子、神尾陽子(児童思春期精神保健研究部)

 自閉症スペクトラム障害の子どもたちの発達上の困難は、対人認知、言語の領域に限らず、運動領域、特に協調運動面での問題をしばしば伴うことが臨床的によく知られています。しかし、身体運動面の発達異常については体系的にはほとんどわかっていません。協調運動面での問題、すなわち"不器用"は運動領域のみならず、情緒・行動や認知発達にも影響し、日常生活の適応と密接に関連します。本研究では、自閉症スペクトラム障害または自閉症的特性を強く有する子どもにおいて"不器用"の問題がどの程度みられるかを明らかにするために、全国の小中学生の大規模サンプル(24,596名)を対象に、日本の子どもで標準化された自閉症特性の評価尺度と不器用さの評価尺度を用いてその分布を調べました。
 その結果、自閉症的行動特性の強い子どもは身体的な不器用さを強く有し、その不器用の程度は学年が上がっても克服されにくいことが分かりました。このことから、自閉症スペクトラム障害または自閉症的行動特性の強い子どもは対人コミュニケーション面だけでなく、運動発達面のニーズに基づく、包括的な支援を行う必要性が高いことが示唆されました。