全前脳胞症

・疾患の概要
 全前脳胞症(holoprosencephaly: HPE)は、16,000人に1人の割合で出生し、自然流産200例に1例の割合で見られ、その原因は様々である.種々の染色体異常があり、13トリソミーの鑑別 の意味でも一般染色体検査を施行する意義はあるが、遺伝以外の原因も低くないため、特殊な遺伝子検査をするメリットはあまりない.

・臨床像
 本疾患の臨床的特徴は、顔面正中部の形成障害である.具体的には、唇裂、口蓋裂、鼻中隔欠損、人中欠損、単眼など.13トリソミーに合併する症状としては、多指趾症、心奇形、痙攣など. 発症機序 原因は様々である.HPEの遺伝的原因としては、種々の染色体異常のほか常染色体優性遺伝形式が知られ、HPE1は21q22.3、 HPE2は2p21、HPE3は7q36、HPE4は18pの4つの遺伝子座が明らかにされている.また本疾患とSHH、ZIC2、SIX3、TGIFの4つの遺伝子との関係も明らかにされた.とくにHPE3座に存在するSHH遺伝子においては、344名のHPE児のうち13名(3%)に変異が同定されたという報告がある.本症の原因は、遺伝的なもののほか催奇形性物質などの環境因子も想定されている.その例が糖尿病母体からの出生で、胎児のHPE)発症率は一般 頻度の200倍といわれている.

・遺伝子診断法
 SHH遺伝子変異の同定により診断は可能.この場合塩基配列の決定が必要.

・遺伝子診断手順
 今のところ決まった手順はない.

・遺伝子診断依頼可能施設
  国内外とも研究途上であり、診断を依頼できるところはない.

・遺伝子診断に際しての配慮事項

 遺伝子診断自身がまだ確立していないので、配慮事項は得にない.
  遺伝子診断は遺伝子変異の情報が十分蓄積されてから行われるべきものと考えられる.

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