Leigh脳症

・疾患の概要
 Leigh脳症は、1951年にLeighが亜急性壊死性脳脊髄症(subacute necrotizing encephalomyelopathy)として報告したのが最初であり、従来より本症の診断は基本的に病理所見をもってなされてきた。しかし最近の画像診断の進歩により、生前でも特徴的な画像所見から本症と診断される症例が増加している。

・臨床像
 2歳以前から始まる精神運動発達遅延、血中や髄液中の乳酸・ピルビン酸高値、CTあるいはMRIにおける大脳基底核や脳幹の対象性の壊死性病変を特徴とする。初発症状は、食事摂取障害がもっとも多く、ついで運動発達遅延や体腔、筋緊張低下である。眼球運動の異常、視神経萎縮、視力障害などの眼の症状、けいれん、呼吸障害、小脳症状などをみる。

・発症機序
 最近の分子遺伝学的研究の進展により、機能低下を引き起こしている各種酵素の遺伝子異常(この場合は核DNAの異常)の発見とともに、mtDNA異常が比較的多く(約20%)認められることが明らかにされた。その中で、最も頻度が高いのが電子伝達系酵素異常症である。

・遺伝子診断法
 mtDNAのATP6領域の8993変異と9176変異がLeigh脳症全体の約20%を占める。この診断は、病理学的、生化学的診断が困難であり、遺伝子診断に頼らざるを得ない。その他種々の酵素異常は、病理・生化学的診断によることがほとんどで、遺伝子診断の適応になるものはほとんどない。

遺伝子診断手順

・遺伝子診断依頼可能施設  
  国内の検査会社では、東洋紡、BML、SRLで行っている.  国内の研究機関でも行っている.その最新情報については、いでんネット(大学等の研究施設で行われている遺伝子検査の情報)を参照のこと.

・遺伝子診断に際しての配慮事項
 mtDNAは母系遺伝する。したがって、患者で変異DNAが証明されれば、その母にも変異DNAが検出できることがほとんどである。本人の診断で、mtDNAの点変異の存在が判明した場合、母や母方親族の負担にならないよう、配慮することが必要である。遺伝子診断についての質問は、国立精神・神経センター武蔵病院遺伝カウンセリング外来(後藤)まで、お問い合わせ下さい。

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