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Alexander病
・疾患の概要
Alxander病は、脳の白質アストロサイトの変性と同じ部位のローゼンタール線維の出現を特徴とする進行性白質変性症.最近アストロサイトで強く発現されているGFAP遺伝子の変異が多くの患者に見られることが判明した.常染色体優性遺伝病.現在、GFAP遺伝子異常と本症との関係をつめる研究が行われている.今後GFAP遺伝子解析により遺伝子診断や発症前診断がなされていくものと考えられる.
・臨床像
早期発症型と学童期発症型がある.2歳迄に早発型は、精神運動発達の停止や退行を認める.痙性麻痺や頭囲拡大、痙攣発作も本症に特徴的.学童期発症型の臨床的特徴は、運動障害が中心で、知能障害や頭囲拡大はみられない.
・発症機序
本症の病理的特徴である、脳の白質アストロサイトの変性物であるローゼンタール線維の出現が、ヒトGFAP遺伝子の過剰発現させたトランスジェニックマウスに見られたことから、本症の原因がGFAP遺伝子にあるのでないかとの仮説がたてられ、患者11名の遺伝子を調べたところ、10名において変異が同定され、本症の責任遺伝子であることが判明した.マウスにGFAP遺伝子の機能不全を生じさせても本症にならないことから、変異の効果
はフレームシフト変異による遺伝子産物の量不足ではなく、ミスセンス変異によるgain-of-function(異常遺伝子産物が正常遺伝子産物を駆逐するタイプ)であることがわかった.この発見により、本症が中枢神経を構成する主要な細胞であるアストロサイト異常を原因とする最初の疾患となった.
本症の類似疾患にCanavan病があり、以前は患者死亡後の病理解剖所見が唯一の鑑別
法であったが、Alxander病の責任遺伝子がCanavan病の責任遺伝子ASAPと異なることが判明したことから早期に遺伝子診断によって行えるようになった.
遺伝子診断法 塩基配列決定法によるGFAP遺伝子の変異解析.
・遺伝子診断手順
遺伝子診断依頼可能施設
研究目的で解析している施設としては国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第5部(辻野精一先生)があり、
解析を依頼できる可能性がある.
遺伝子診断に際しての配慮事項
責任遺伝子が最近判明したばかりで、本症における遺伝子診断の有用性や留意点については、今後明らかになってい
くものと思われる.
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