ピアソン病 (Pearson病)


・ 疾患の概要

 1979年にPearsonらが乳児期に発症する鉄芽球性貧血と膵外分泌不全を主徴とする症候群を発表し、以後Pearsonユs marrow-pancreas syndrome(Pearson病)と称されている。多くは貧血に引き続いて汎血球減少症となり、その他多臓器の症状が出現し、時に致死的である。1988年にR嗾igらがこの症候群の患者の血球細胞にミトコンドリアDNAを調べ、単一欠失をはじめて証明した。

・ 臨床像

 新生児期、乳児期に発症する。血液学的所見は、貧血を主体とするが、程度の差こそあれ汎血球減少症をきたす。骨髄所見としては細胞数は正常もしくは増加しているが、赤芽球系、骨髄芽球系前駆細胞内に空胞を認めることと、環状鉄芽球が多数存在していることである。 消化管症状として、リパービ、キモトリプシンなどの分泌低下による脂肪性下痢が特徴的である。肝機能障害も必発である。 その他として、腎尿細管機能異常としての尿糖、アミノ酸尿、有機酸尿を認めることがある。光線過敏症を示す症例も報告されている。

・ 発症機序

 mtDNAの単一欠失は、血液以外の通常調べられる臓器すべてに存在し、骨格筋にも欠失DNAは証明できる。欠失mtDNAはヘテロプラスミーの状態で検出される。抹消血及び骨髄血でのヘテロプラスミーの度合い(正常型に対する欠失型の比率)と末梢血球数とは相関関係がある。Pearson病では時間とともに血液学的所見が改善するが、ヘテロプラスミーの度合いも改善してくる。なぜ骨髄でのヘテロプラスミーが低下するかの機序は明確ではないが、おそらくヘテロプラスミーの度合いの高い幹細胞は血球産生能が低い、もしくは産生された血球の寿命が短いなどの理由で、徐々にヘテロプラスミーの度合いの低い骨髄細胞に置き換わるからであろうと考えられる。 一部の患者で、欠失mtDNAとともに、重複mtDNAの存在が証明されたという報告がある。

・遺伝子診断法
 遺伝子診断は末梢血や骨髄を用いたmtDNAの欠失の検査である。

遺伝子診断手順

・遺伝子診断依頼可能施設
 
  国内の検査会社では、BML、SRLで行っている.  
  国内の研究機関でも行っている.その最新情報については、いでんネット(大学等の研究施設で行われている遺伝子 検査の情報)を参照のこと. 遺伝子診断に際しての配慮事項  mtDNAは母系遺伝するが、通常単一欠失を有する例 は散発例である。したがって、次子の危険率はきわめて低いと言える。ただし、欠失と同時に重複が証明された家系 では、母系遺伝が想定されているという事実は、説明する必要がある。mtDNA検査に関しての質問は、国立精神・神 経センター武蔵病院遺伝カウンセリング外来(後藤)まで、お問い合わせ下さい。

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