Williams症候群

・ 疾患の概要
 Williams症候群 (Williams-Beuren症候群; WBS)は、妖精様の顔貌と心血管系の奇形を特徴とする10,000人に1人と比較的頻度の高い奇形症候群.染色体7q11.23領域に欠失が原因と考えられている.7q11.23領域のELN遺伝子をプローブしたFISH解析で比較的容易に診断がつけられる.大多数が散発例であり、次子に遺伝する可能性は0に近く、出生前診断の適用は通 常ない.

・ 臨床像
 
本疾患の特徴的な妖精様顔貌とは、広い前額、太い内側の眉毛、眼間狭小、腫れぼったい目、上向きに鼻孔、下ぶくれの頬、長い人中、厚い口唇、開いた口などである.心血管奇形として代表的なものが大動脈弁の弁上狭窄で、そのほか、肺動脈末梢狭窄、肺動脈弁上狭窄、心室中隔欠損、心房中隔欠損がある.成長障害は胎児期から見られるが、出生後さらに強くなる.発達遅滞は中等度で、言葉は出るが、そのわりに理解できていないという特徴がある.

・ 発症機序

 連鎖解析や詳細な染色体解析で、本症の患者の多くが7q11.23に2 Mb程度の欠失を有することが明らかにされた.この欠失は、7番染色体内での再結合に伴って生ずると説明されている.この欠失領域には複数の遺伝子が存在するが、その中のELN(elastin locus)遺伝子の半量不全が大動脈弁の弁上狭窄の発症に、LIM-kinase 1遺伝子の半量 不全が視覚空間認識の異常に関係すると言われている.欠失はWBS患者の91%-94%に見られる.

・ 遺伝子診断法
 ELN遺伝子プローブを用いた染色体FISH法.

遺伝子診断手順

・遺伝子検査依頼可能施設
 
染色体FISH法を行っている検査会社は、三菱化学BCL、SRL、BML、シオノギ.

・遺伝子診断に際しての配慮事項
 FISH法を用いた欠失の診断は簡便で迅速.遺伝性がないため、出生前診断を行うことはまずない.

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