HOME > ニュース 沼川室長 日本神経化学会奨励賞

J Psychiatr Res. 2011

Association of plasma IL-6 and soluble IL-6 receptor levels with the Asp358Ala polymorphism of the IL-6 receptor gene in schizophrenic patients.

Sasayama D, Wakabayashi C, Hori H, Teraishi T, Hattori K, Ota M, Ishikawa M, Arima K, Higuchi T, Amano N, Kunugi H.

【論文の概要】

過剰な IL-6 シグナルが統合失調症の病態生理に関与していることが多くの研究で示唆されている。 健常者では IL-6 受容体( sIL-6R )遺伝子 Asp358Ala 多型が、血中の IL-6 および可溶性 IL-6R ( sIL-6R )の濃度に影響することが過去に報告されている。本研究では、統合失調症患者 104 名および健常対照者 112 名において、 Asp358Ala の遺伝子型および血漿 IL-6 濃度を調べた。さらに、対象者のうち統合失調症患者 53 名と健常者 49 名において sIL-6R 濃度を調べた。整列ランク変換手法を用いて変換した IL-6 および sIL-6R 濃度を従属変数、診断と遺伝子型を独立変数、年齢と性別を共変量として、 2 要因分散分析を行った。 IL-6 、 sIL-6R のいずれにおいても、診断と遺伝子型の有意な交互作用は認めなかった。 Asp358Ala の遺伝子型は IL-6 濃度および sIL-6R 濃度と有意な関連を示した。統合失調症患者では IL-6 濃度が有意に高かったが、 sIL-6R 濃度は健常者と有意な差を認めなかった。統合失調症患者では Asp358Ala 以外の要因による IL-6 濃度上昇があり、 sIL-6R 濃度は健常者と有意な差がないことから、 IL-6 シグナルが過剰となっていることが示唆された。