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『光トポグラフィーを用いた統合失調型パーソナリティに関する研究』

流動研究員 堀弘明

 

6) Hori H, Nagamine M, Soshi T, Okabe S, Kim Y, Kunugi H. Schizotypal traits in healthy women predict prefrontal activation patterns during a verbal fluency task: A near-infrared spectroscopy study.   (Neuropsychobiology 2008; 57:61-69)

 通常、言語処理の際には、脳の左半球が右半球より活発に働くことが知られています。統合失調症患者さんでは、こういった左半球の活性化があまりみられず、相対的に右半球が活性化することがわかってきました。本研究では、健常者の統合失調型パーソナリティ傾向と、文字流暢性課題(特定の頭文字「あ」「か」「さ」から始まる単語を、指定された時間内にできるだけたくさん答える課題)を遂行している間の脳血流変化との関連について、近赤外線装置を用いて検討しました。統合失調型パーソナリティ傾向が強い健常者ほど、課題遂行中の血流増加が右半球優位になるという関連がみられたことから、脳活性化パターンの面からも健常者の統合失調型パーソナリティ傾向と統合失調症との間の連続性が示されました。統合失調型パーソナリティを持つ方にはクリエイティブな力が備わっていることを示す研究がありますが、その創造性はこういった脳活動の左右差によって説明される可能性があります。

 


 

7) Hori H, Ozeki Y, Terada S, Kunugi H. Functional near-infrared spectroscopy reveals altered hemispheric laterality in relation to schizotypy during verbal fluency task.  (Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 2008; 32(8):1944-1951)

 統合失調型パーソナリティ傾向と脳活性化パターンの関連をさらに詳しく検討するため、本研究では、文字流暢性課題に加えて、カテゴリー流暢性課題(特定のカテゴリー「野菜」「動物」「乗り物」に属する単語を、指定された時間内にできるだけたくさん答える課題)を用いて、健常者の統合失調症型人格傾向と脳血流変化との関連を近赤外線装置によって調べました。本研究により、健常者の統合失調型パーソナリティ傾向は右半球優位の活性化パターンと関連している一方で、この関連の強さは課題によってある程度変化することがわかりました。この結果は、健常者の統合失調型パーソナリティ傾向は統合失調症と質的に類似したものである可能性を示しています。

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