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2006.06.12
  出張先に向かう飛行機の中で「国家の品格」を読みました。数学者である著者の藤原正彦さんのお名前は、昔私が中学生か高校生だった頃に母からご母堂である藤原ていさんの「流れる星は生きている」を読むように勧められたときから知ってはおりました。
  その後月刊誌だったでしょうか、寄稿されている氏の文章にふれたことは何度かありますが、まとまった文章を読むのは今回の本が最初でした。ベストセラーだからというわけでもないですが、国際人のあり方など感銘を覚える箇所がいくつもありました。
  日本語が醸し出す「美しい情緒と形」が理系の学問にも重要で、総合判断力の向上にも寄与すると言うくだりは、私自身が理系の研究に身を置いているだけに共感度が高いものでした。ある学会で著名な研究者が「日本語で考えたからこそ、この発見があった」というようなことを話されていましたが、世界に通用する若い研究者を育てることと、英語で成果を発信することと、そして、日本語のすばらしさを身に備えること。これらの間に流れる目には見えぬけれど、実は奥が深いつながりについて考えるヒントを頂いた機上のひとときでした。

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