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2007.07.09
  研究室見学に来られた方には私どもの研究部の指導方針についてお話するようにしています。
  全体的な方針やら私自身の考え方などお話しする際に、実際私ども研究部内で指導的立場のある人に話をしたことがある例え話の改訂版を、その人の状況に応じて紹介するようにしています。
  指導者のあり方についての私の意見を例え話にしたものですが、どういう内容かといいますと、「指導者にはこのようにあって欲しいと考えています」とまず話し出すのですが、見学の方が都内から来られた場合ですと、「ある人が例えば東京駅で指導を受け始めて、その人の研究のゴールが私どもの研究所のある小平市とします。その場合、(私の考えではありますが)良くない指導者は、仮に最短ルートが東京〜中央線〜国分寺〜タクシーだったとしますと、そのルートの通り、東京駅で切符を買ってあげて、一緒に中央線に乗って国分寺駅まで来てついでに自分もタクシーに乗り込んで、研究所まで一緒に来てしまうタイプです。
  これは手取り足取りですので自分の考えをいわば押しつけている訳ですので指導としては良くないでしょう。良い指導者というのは東京駅に自分はとどまり、まず切符の買い方の概略だけを説明します。中央線に乗り込んだら次は国分寺駅のだいたいの場所を示します。国分寺駅に着いたら回りの人に聞いてタクシーしか手段がないのか、電車はないのかなど状況を確認しなさいと言います。
  さてここで質問です。新宿で間違ってその人が降りてしまって渋谷に向かってしまったときあなたが指導者であった場合あなたはどうしますか?
  いろいろな答えがありますね。ある人はまず山手線の外回りに乗りかえて新宿で降りて中央線に乗り換えなさいと言うでしょう。でも場合によっては、そのまま山手線内回りに乗り続けて高田馬場に来たら西武新宿線に乗り換えて小平方面に向かいなさいという人もいるでしょう。もちろん山手線の外回りで新宿で降りずに高田馬場で乗り換えという選択肢も有りますし、渋谷で降りて井の頭線で吉祥寺に出てそこから中央線という手もあります。
  何が言いたいかと言いますと、状況状況に応じてその人の残金などいろいろな条件を考慮して一緒に最善と思われる道を考えればよいのです。
  山手線でぐるっと回った結果思わぬ拾い物をすることもあるかもしれませんし、中央線がストップし結局高田馬場経由で来た方が早かったことだって有るかもしれません。
  出てくるデータは嘘はつきませんし、出てきたデータを見てその人は新宿で乗り換えて渋谷に向かったのかもしれません。「最終地点である小平に到着するのにはどうしたらいいのか、一緒によく考えてください」という話です。
  指導する人のあり方の一つに、画一的に考えるのでなく弾力的に考えることが重要だ、被指導者に意見を押し付けるのでなく意見を吸い上げることも重要、と言うことを考えてこの例え話があるわけですが、創造性ということを一番に重要視する私たちの考えと私たちの指導のあり方について理解していただくためにこのような話を見学の方には折に触れしております。

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