TOP
募 集
研究業績
メンバー紹介
研究紹介

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所

神経薬理研究部

Department of Molecular Pharmacology

 

研究活動及び研究紹介

1.新規ガス性神経伝達物質としての硫化水素

 硫化水素(H2S)は卵の腐敗臭を発する強力な毒ガスである.その毒性については300年前から良く研究されているが,生理活性物質としては考えられていなかった.脳でのH2S生産酵素としてのシスタチオニンベータシンテース(CBS)と、NMDA受容体を活性化し、記憶のモデルとして知られているLTPの誘導を促進することから、神経伝達修飾物質としてのH2S1996年に提案し、翌97年にはもう1つの生産酵素シスタチオニンガンマライエース(CSE)の存在と、平滑筋弛緩因子としてのH2Sを提案した。これら、発見の歴史については、Science 320, 1155-1157, 2008に記述されている。昨年度は、第3の硫化水素生産酵素としての3メルカプトパイルベートサルファトランスフェレース(3MST)を同定し、硫化水素が生産された直後に貯蔵される機構が存在することを提案した。また、この酵素が血管内皮に存在することを明らかにし、H2Sが内皮由来血管平滑筋弛緩因子(EDRF)の1つのコンポーネントである可能性と提案した。本年度は、疾病研究第二部との共同研究により、H2Sの神経保護因子として、細胞内グルタチオンを増加し、特に酸化ストレスのかかるミトコンドリアのグルタチオンを増加する機構があることを報告した。

 

2.哺乳動物機能性小分子RNAに関する基礎と応用研究

機能性小分子RNAであるsiRNAによって誘導されるRNAiは、簡便な遺伝子ノックダウン技術として様々な研究分野で利用・応用されている。我々は、この技術を新しい疾患治療に応用するために研究開発を行っている。本年度は、疾患原因遺伝子特異的なノックダウンを可能にする対立遺伝子特異的RNAiの実現を目指し、神経変性疾患原因遺伝子に対して特異的なRNAiノックダウンを誘導するsiRNAの設計、スクリーニングそしてその改良について検討した。その成果は、国際誌、国内外の学会で発表を行った。