国立研究開発法人国立神経・精神医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部

筋ジストロフィー犬

筋ジストロフィー犬

筋ジスにおけるジストロフィン遺伝子の変異当センター中型実験動物研究施設では、デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD) の疾患モデルとして筋ジストロフィー犬 (Canine X-linked muscular dystrophy in Japan: CXMDJ) を作出し、診断・治療研究を行なっています。本コロニーは、イヌDMDモデルとして先に確立されたゴールデン・レトリバー筋ジストロフィー犬の凍結精子をビーグル犬に人工授精し、作出されたメス保因犬を更にビーグル犬と交配させることにより、小型で維持しやすいビーグル種系統化を進めています。本疾患モデルはジストロフィン遺伝子イントロン6での点変異によってジストロフィンを欠損し、DMDと同様に骨格筋での筋線維の壊死・再生、炎症性細胞浸潤、線維化および脂肪浸潤などの病理組織学的所見を確認することが出来ます。

筋ジストロフィー犬CXMDJは、進行性の病態に基づいた全身骨格筋の萎縮、関節拘縮、脊柱背彎、心筋障害、消化管障害などの様々な臨床症状を呈するため、DMDと関連した病態研究に大変重要な知見をもたらすと考えられます。臨床応用に向けた取り組みとしては、臨床試験における新規の治療評価指標を目指した分子バイオマーカーの探索および運動機能評価を進展させています。また治療研究として遺伝子治療、細胞移植治療、薬物治療の有効性・安全性を検討しており、人工核酸を用いたエクソン・スキップの成果(Yokota T et al. Ann Neurol. 65:667-676. 2009)は臨床試験の推進に大きく寄与しました。これら研究は当センターの中型実験動物倫理問題検討委員会の審査・承認のもと、動物福祉に基づいて実施されており、基礎病態から臨床応用に連なる幅広い展開を目指しています。

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