メタボと免疫

メタボリックシンドロームを早くみつけて病気をへらそう!と、最近は健康診断で腹囲を測定されるはめになり、内心穏やかでないのは私だけでしょうか。体重コントロールの重要性は理解していますが、わざわざ記録して残さなくとも、と思ってしまいます。
 こうなったのも、食生活の欧米化、運動不足、不規則な生活、ストレスなどから肥満傾向が増加し、それに伴って動脈硬化、糖尿病などさまざまな生活習慣病が増加しているからにほかなりません。
 最近、肥満やそれに続く生活習慣病には、免疫細胞による炎症が関係していることが注目されています。その証拠としては、リウマチでTNF-αという炎症性サイトカインを抑える治療をすると、動脈硬化が減ったという報告があります。

そこで今回は、食欲調節や肥満に関するホルモンと免疫について考えてみます。
食欲調節や肥満に関するホルモンのひとつに、レプチンがあります。レプチンは主に脂肪細胞から産生されるため、その量は脂肪量と相関します。レプチンは脳に達すると食欲を調節します。遺伝的にレプチンのない人は、高度の肥満になることが知られています。レプチンは自然免疫細胞を刺激して炎症性サイトカインを産生させ、獲得免疫ではIFN-γを産生するTh1というTリンパ球の働きを増強して、多発性硬化症の動物モデルであるEAEなどで病態を悪化させることが知られています。
 それとは対照的に、飢餓時に主に胃の細胞から分泌が増加するグレリンというホルモンがあります。グレリンは、炎症性サイトカイン産生を抑制し、多発性硬化症の動物モデルや関節炎モデル、敗血症モデルなどの病気を抑えます。
 どうも肥満に関連したホルモンは炎症を促進する傾向にあるようです。やっぱり、免疫のためにも体重のコントロールは大切ですね。

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