研究内容(一般の方)

無意識の運動:運動疾患治療やリハビリテーションに利用できる脳機能

 人間は話したいときにはおしゃべりし、なにかほしいときには手を伸ばしてつかみ、うれしいときにはにっこり笑う事ができます。このように我々の意図や意識を行動にむすびつけるのは脳の重要な仕事です。しかし、我々の日常生活のうち「意識して」行うものはごくわずかです。

 例えば、考え事をするときに腕組みをするなど、とくに意識していないのに行っている行動が多くあります。このように、「無意識のうちに」行われている生物の行動はどのように制御されているのでしょうか?私たちは、無意識行動が脳によってどのように制御されているのかを調べるために、脊髄の働きをモデルにして研究を進めています。脊髄は歩行や反射など、無意識運動の中枢として知られているからです。

 これまでの研究から、無意識行動だけでなく意識して行う行動の多くが、脊髄の神経細胞を経由して制御されている事が示されました。さらに実験データを解析すると、意識して行う行動が、脊髄などで作り出される無意識運動の組み合わせによって表現できる事が分かってきました。

 脳損傷や脊髄損傷などを受けた患者さんの場合、無意識運動を作り出す神経機能は健全に保たれているにも関わらず、脳がそれらをうまく操れないために、意図した行動が行えないのかもしれません。もしそれが本当なら、脊髄の活動をコンピュータなどの外部装置によって人工的に操作し、引き起こされる無意識運動をうまく組み合わせる事によって、様々な行動を作り出すことができるはずです。このような新技術を開発・実用化して「自分の手足を思いどおりに動かしたい」という患者さんの願いをすこしでも実現させるのが私たちの夢です。

 

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