MENU

ポスドク(博士研究員): 戸松 彩花

戸松彩花

経歴(略歴)

2000-2002 奈良女子大学大学院 人間文化研究科 修士課程
2002-2005 東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程(学術)
2005-2010 (財)東京都医学研究機構 東京都神経科学研究所 流動研究員
2010-2011 (財)東京都医学研究機構 東京都神経科学研究所 客員研究員
2011 (公財)東京都医学総合研究所 非常勤研究員
2011.10- 現職

 

研究内容

私たちの身体には「本能的」に,ある程度の運動が予めプログラムされています.だからこそ生れ落ちた瞬間から生きるために必須の運動を行うことができるのです.しかし成長するにつれ,もっと「意のままに」動きたい欲求が芽生えます.もっと遠くに,もっと上手に,もっと面白く,美しく,カッコ良く動きたい…私たちは本能として持って生まれた運動プログラムと,自ら意図的に作成した運動プログラムを,あるときは共存させ,あるときはどちらかを選択しながら,所望の運動を行うはずです.私は,このような複数由来の運動プログラムが絡み合う中で思い通りに身体を動かすための脳神経系メカニズムを明らかにしたいと思っています. 
前職では,特に大脳−小脳連関に焦点を当てて研究を行ってきました.あまり注目を浴びませんが,「脳」としてイメージされることの多い「大脳」は,その下部にある「小脳」との連携によってより効率的な情報処理が行えるといわれます.その連携については,従来から眼の動きに関する研究が非常に進んでいますが,手や足の運動,さらに精神的な機能も,両者の密接な協調関係があるために「スムーズに事が運ぶ」実態がわかってきています.ですから小脳はきっと,複数由来の運動プログラムがスムーズにそれぞれの得意を生かし合うポイントの一つとなるはずです. 
そして,これからの研究の焦点は脳と筋肉をつなぐ「脊髄」にうつります.脊髄は脳から出た運動プログラムを筋肉に伝え,また逆に手足の状態を脳に伝える唯一の「情報伝導路」であることは間違いない事実ですが,それだけではなさそうです.なぜなら脊髄こそ本能的運動プログラムの大部分をたくわえる総本山だからです.きっとここにも複数由来の運動プログラムをうまく使い分けるメカニズムがひそんでいることでしょう.今後も,神経細胞からの直接的な活動記録と,機能的磁気共鳴画像法(fMRI),心理物理実験を組み合わせながら,「思い通りに身体を動かす」ための脳神経系メカニズムを探る旅をしていこうと思います.

研究業績(過去5年) 英語論文のみ

  • Lee J, Kagamihara Y, Tomatsu S, and Kakei S.  The functional role of the cerebellum in visually guided tracking movement.  Cerebellum, 2012, 11(2):426-433.
  • Tomatsu S,Someya Y, Sung YW, Ogawa S, and Kakei S.  Temporal feature of BOLD responses varies with temporal patterns of movement. Neurosci Res, 2008, 62(3):160-167.
  • Tomatsu S and Ohtsuki T.  The effect of visual transformation on bimanual circling movement. Exp Brain Res, 2005, 166(2): 277-286.

競争的資金

  • 2008-2009年度 科学研究費補助金(若手研究B)
  • 2006-2007年度 科学研究費補助金(若手研究B)

自己紹介

昔から「自分の見ている赤色と,他人の見ている赤色は同じ赤色だろうか」などと色んなことを考えすぎる子どもでした.口から食べたニンジンが,腸を通るだけでどうして身体に取り込めるのか,理科(もしくは保健体育?)で習って感動したことを覚えています.そして,目にはみえない小さな物質単位の存在を知ってもなお説明のつかない「心」の存在が不思議のまま残りました.
たぶん,そのまま今に至る,大人になれない一児の母です.

HOME
ENGLISH