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プレスリリース詳細

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平成24年9月14日
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター

―国立高度専門医療研究センター共同プロジェクト―
身体疾患患者へのメンタルケアモデル開発に関する
ナショナルプロジェクトがスタート

 国立高度専門医療研究センター全6センター(注)は共同して、身体疾患患者へのメンタルケアモデル開発に関する全国プロジェクトをスタートさせます。

 精神障害の受療患者数は、いまやがんや糖尿病をはるかに上回り、323万人と推計されています(2008年患者調査)。慢性的な身体疾患患者の5人に1名程度にうつがあると指摘されており、うつ病をはじめとする精神疾患は国民的課題となりつつあります。都道府県が策定する来年度からの医療計画においても、「広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病」として、これまでの「がん」、「脳卒中」、「急性心筋梗塞」、「糖尿病」の4疾病に、新たに「精神疾患」が加えられ5疾病となりました。また、うつ等の精神疾患は、これら身体疾患に関連する生活習慣と密接に関連することも知られています。

 本プロジェクトは、このような背景から、平成24年4月14日の6センター総長会議で提案・了承されたもので、慢性疾患を有する患者のうつの評価と治療に関する連携モデルを開発することにより、身体疾患とうつの治療の最適化を促進し、健康寿命の延伸を目指すことを目的としています。

 具体的には以下の3つの施策を順次実施いたします。

  • (1)各センターが所管する専門疾病の医療チームのための包括的なうつ管理のための研修を開発・実施する。
  • (2)治療モデルを多次元的に開発して導入先進事例を紹介する。
  • (3)治療モデルの効果検証研究および身体疾患とうつに共通する病態解明につながる研究を並行して実施する。

なお、6つのナショナルセンターが共同で行うプロジェクトとしては、臨床支援をベースとした臨床研究の領域では今回が初めてのケースとなります。

(注) 国立高度専門医療研究センター:国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター、国立精神・神経医療研究センター

国立高度専門医療研究センター:
メンタルケアモデル開発 ナショナルプロジェクト
身体疾患患者へのメンタルケアモデル開発に関する
ナショナルプロジェクト

詳細は、【解説】、または、メンタルケアモデル開発ナショナルプロジェクトのURL http://mhcnp.jp/ をご参照ください。

【問い合わせ先】
メンタルケアモデル開発ナショナルプロジェクト事務局
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 社会精神保健研究部内

住所 〒187-8553 東京都小平市小川東町4-1-1
FAX:042-346-2047
Eメール:
URL:http://mhcnp.jp/

【解説】

―国立高度専門医療研究センター共同プロジェクト― 身体疾患患者へのメンタルケアモデル開発に関するナショナルプロジェクト

【背景】
 WHO(世界保健機構)によるとうつ病の疾病負担は、全疾病の中で第1位と発表されており、わが国においてもうつ病における損失は年間約1.3兆円と推計されている。特に身体疾患とうつの併発には、次の関係があり、適切な診断と治療が求められていた。

  • 身体疾患患者とうつとの併発する割合が高い(例:循環器領域では5名に1名程度)
  • 身体疾患とうつを併発すると、再入院しやすくなり、生命予後が悪化する
  • 健康寿命を延伸するためには、慢性疾患発症・増悪リスクである喫煙、運動不足、不適切な栄養摂取や睡眠障害を改善する必要があるが、うつがあるとこれらのリスクが高まる

 各都道府県が策定する2013年度からの医療計画に、受療患者数の増加が著しい精神疾患が、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に続く5疾病目として加わる。また新たな健康日本21においてもうつの重要性が指摘されている。

 *うつ(depression):うつ状態とうつ病

【目的】
本プロジェクトの目的は、国立高度専門医療研究センターが主導して、身体疾患の患者のメンタルヘルスモデルの開発と均てん化を行うことである。最終目標は、慢性疾患を有する患者のうつの評価と治療に関する連携モデルを開発することにより、身体疾患とうつの治療の最適化を促進し、健康寿命の延伸を目指すことである。

【実施内容】
(1)専門疾病医療チームのための包括的なうつ管理のための研修

各国立高度専門医療研究センターが所管する専門疾病の医療チームのための包括的なうつ管理のための研修を開発・実施する。各センター病院職員への研修を行うとともに、それぞれの専門疾病に関する学術団体と共同の全国研修を行い、普及・啓発を進める。修了者に対する継続的な臨床支援をおこない、より専門性の高い上級コースの開催も企画している。現在事務局が把握している研修日程は次の通りである。

【がん】 
国立がん研究センター中央病院・東病院(9月)・がん拠点病院研修(年1回開催)

【循環器疾患】 
国立循環器病研究センター病院(10月~12月)・日本循環器心身医学会合同研修(11月18日)

【糖尿病】 
国立国際医療研究センター病院(9月29日)・糖尿病合併症学会合同研修(11月3日)

【認知症】 
国立長寿医療研究センター病院(11月13日等)・日本老年医学関連学会(調整中)

【小児慢性疾患】 
国立成育医療研究センター病院(12月予定)・日本小児科学会・子どもの心の診療ネットワーク事業ジョイント研修(1月26日)

【パーキンソン病】 
国立精神・神経医療研究センター病院(6月12日)・拠点病院研修(調整中)

【参考】
本プロジェクト関連の学術団体シンポジウム:日本心臓病学会・日本循環器心身医学会ジョイントシンポジウム、日本循環器学会モーニングレクチャー、日本行動医学会シンポジウム

*学術団体と連動した拠点病院研修は企画調整中

(2)治療モデルを多次元的に開発して導入先進事例を紹介(企画中)

(3)治療モデルの効果検証研究および病態解明研究(企画中)

以上

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