TMC事務局
Tel:042-341-2711(大代表)

ホーム教育・研修若手育成カンファレンス > 第31回 若手育成カンファレンス報告書

第31回 若手育成カンファレンス報告書

 2013年11月27日、第31回若手育成カンファレンスが開催されました。

「ストレスケア病棟におけるオープン形態での集団認知行動療法の実施可能性の検討」
坂本岳之(病院 看護部)

 集団認知行動療法は欧米において効果が認められています。しかしながら、効果研究では厳格な適格基準ならびに除外基準が設定されており、実臨床で遭遇する複数の併存疾患を有する患者は研究対象となっていません。気分障害、不安障害、統合失調症などの精神疾患は、注意・記憶・推論・思考・行動のプロセスは共通した特徴が多いことが示唆されています。そこで、本研究では、「うつ・ストレス」に関連する様々な疾患の入院患者を対象に、オープン形態での集団認知行動療法プログラムを作成・実施し、その参加状況および参加状況に応じた抑うつ症状および社会適応能力の改善の程度を評価しました。
病棟の看護師を中心に心理士、作業療法士によるチームを編制し、プログラム(全6回、週1回1セッション60分)を作成し、実施しました。プログラム初回参加時および6週時にBDI、HAM-D、SASSを評価し、入院期間に応じたセッション参加回数の割合とそれぞれの尺度の改善率を探索的に分析しました。現在まで、10クールを実施したところ、151名が参加(各回平均9.0名)しており、オープン形態で実施するプログラムの実施可能性が示されました。

「運動性構音障害を伴う神経変性疾患患者の日常生活への遅延聴覚フィードバック法の導入」
織田千尋(病院 リハビリテーション科)

 遅延聴覚フィードバック(DAF)法は話し手の発した言葉を遅らせて話し手の聴覚に戻す方法で、運動性構音障害を改善します。織田さんは、当院を受診しDAF法の効果があった運動性構音障害を伴う神経変性疾患患者19人(男10人、女9人 年齢中央値67歳)を対象に、DAF法の導入を試みました。自ら携帯型DAF装置を購入し1カ月以上使い続けた患者を導入群、それ以外を導入不可群とし、二者の背景を比較し検討しました。

 導入群 14人全員と導入不可群5人中4人が、試用期間中にDAF法の効果を自覚し、導入群は14人全員がコミュニケーションパートナーと携帯型DAFを使いたい場面が明確でした。一方、導入できなかった理由は、コミュニケーションパートナーの聴力低下、DAFを使わなくても音声だけでコミュニケーションがとれていること、携帯メールで意思疎通が図れていることでした。DAF法は、運動性構音障害を伴う神経変性疾患患者の日常生活で効果を発揮できる可能性があります。携帯型DAF装置の試用前に言語聴覚士が、患者やコミュニケーションパートナーの携帯型DAF使用目的を確認することが、日常生活へのDAF法導入に重要であると、今後の展望についてもまとめられました。

[ TOPへ戻る ]