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第44回 若手育成カンファレンス報告書

2015年6月24日、第44回若手育成カンファレンスが開催され、病院精神科の横井優磨さんが発表しました。

経頭蓋直流電気刺激tDCSの臨床研究
横井優磨(病院)

経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS) の歴史は古く、18世紀に電池や電気が発見、発明された頃から電極を頭皮に当てることで臨床的な効果を得ようとする試みが行われていました。20世紀に電気痙攣療法による臨床効果が発見された後は技法的に顧みられることは少なくなりましたが、21世紀に入りtDCSの生物学的作用機序が徐々に明らかになりました。安全性や再現性に優れた機械の登場により臨床研究に再び用いられるようになり、先行する経頭蓋磁気刺激における成果や仮説も取り入れる形で、非侵襲的な脳神経への非薬物的介入、いわゆるニューロモデュレーションの方法の1つとして注目を集めるようになりました。機序としては陽極刺激anodal stimulationでGABAを抑制、陰極刺激cathodal stimulation刺激でGlutamateを抑制することが分かっています。同じDLPFCを刺激しても個人差が大きく、電気の流れが異なることが弱点になっています。これまでのところtDCSは、うつ症状に対して効果を認めることがメタアナリシスで示されています。発表前半でtDCSの現状の成果を整理され、後半は最近始められたアルツハイマー病患者のうつ症状に対するtDCSの効果を検討するランダム化比較試験(ADAPT)の概要と実施上の苦労をお話しされました。本試験論文の前にレビュー論文やプロトコル論文を発表すること、研究実施上のロジスティックスへの配慮についても述べられ、活発な質疑応答も行われました。

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