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第46回 若手研究カンファレンス報告書

今回は、身体リハビリテーション部 有明 陽佑さんに「初めての臨床研究、呼吸評価方法の確立に向けて。 ~挫折と苦労と、ときどき、手応え~ 」と題した発表をしていただきました。
有明さんによると、神経筋疾患は筋力低下による拘束性換気障害が生じるため、呼吸リハビリテー ションが重要です。その方法の1つにバッグバルブマスクを使用して深呼吸を得る最大強制吸気量(Maximum insufflation capacity: MIC) 練習があり、 デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対して推奨されています。MIC 練習は咳嗽力の向上と肺・胸郭の柔軟性を維持・改善するのを目的にしていますが、MICの値が肺・胸郭の柔軟性を反映しているとし、MIC 変化量を介入のアウトカムとした研究が散見されています。しかし、自分たちの研究によってMIC 測定は評価者によってばらつきが多いものだと分かりました。
そこで、肺・胸郭の柔軟性評価を目的として、「一定の圧力をかけたときの吸気量測定」の方法を規定し、評価強制吸気量(Assessment insufflation capacity: AIC)と定義して、AICの信頼性と妥当性を検討する研究を計画しました。
この研究は目標症例数を20 例として開始しましたが、途中で有明さん自身が、倫理委員会とのやり取りや、臨床現場への説明・協力依頼、さらに様々な心労が重なって、何度かバーンアウト状態になりかけたそうです。加えて、診療業務の多忙さから研究に割く時間もなかなかとれず、また一人で全てをマネージメントしようとして抱え込み、研究がなかなか進まない時期もありました。しかし、同僚に研究の進捗状況を聞かれたときに、遅れている言い訳を探している自分に気が付き、もう一度社会の役に立つであろうこの研究を、しっかり完遂しようと思って継続しているということです。
カンファレンスの参加者からも、臨床研究の計画や実施についての経験や知識、倫理委員会との付き合い方や診療・研究のバランスをとるための方法など、様々なコメントが出て、予定終了時間を越える有意義なディスカッションがありました。

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