TMC事務局
Tel:042-341-2711(大代表)

ホーム教育・研修若手育成カンファレンス > 第53回 若手育成カンファレンス報告書

第53回 若手育成カンファレンス報告書

 今回は薬剤部で活躍されている原恵子さんに『薬剤師の教育的介入によるベンゾジアゼピン受容体作動薬減量の試み』という題で発表をしていただきました。

 ベンゾジアゼピン受容体刺激薬(BDZ薬)の使用を巡っては、様々な問題が指摘されており、特に長期多剤併用の是正を求める声が高まっています。海外では、薬剤師による小冊子を用いた教育的介入の有効性が報告されていますが、我が国における有効な介入法に関する調査データはわずかでした。この現状を踏まえ、The EMPOWER Cluster Randomized Trial (JAMA Intern Med. 2014;174:890-898)で使用されたものに準じて作成した小冊子を用いた教育的介入が、BDZ薬の減量方法として有用であるかを調査することを着想しました。

 口演では小冊子を用いた介入により、BDZ処方量(ジアゼパム換算)が減少し、また、その前後で不眠、不安、抑うつ症状が悪化しなかったことを示されました。発表では、客観データの提示に留まらず、臨床研究を行う動機、実際に当たっての苦労、そして、支えてくれた周囲の人々への感謝の念を語られていたのが印象的でした。また、発表の後は、介入にあたっての処方医とどこまで情報が共有されたか、組み入れ・除外基準の詳細、あるいは、データとして頓用薬をどのように取り扱ったかなどについて、研究デザインや臨床的観点からみた活発な議論が交わされました。この研究は、予備的な実態調査からはじまった計画でしたが、これまでの成果をまとめて発信すると共に、今後、患者さんのQOL向上を視野に入れた更なる発展が期待されます。

[ TOPへ戻る ]