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第54 回若手育成カンファレンス報告書

  今回は看護部で活躍されている佐伯幸治さんに『Metacognition Assessment Interview (メタ認知評価面接)日本語版作成の試み』という題で発表をしていただきました。

 メタ認知は、社会認知のカギとなる能力で、感情知覚、原因帰属様式や心の理論など、複数の領域を含む概念であり、『自己の認知をモニタリングし,解釈し,評価し,調整する高次の認知機能』と定義されます。この認知は、抑うつに距離を置いた思考や、対人関係でのコーピング選択に大きな影響を与えるとされるため、その機能評価は就労などの社会参加をめざす治療やリハビリテーションにおいて有用であると考えられます。メタ認知の評価方法は、自記式評価尺度によるものも存在しますが、2012 年にSemerari が作成したMetacogniton Assessment Interview (MAI)は、構造化面接に基づき、この認知を客観的に捉える方法として有望であると考え、MAI の日本語翻訳と、その信頼性・妥当性の確認することを着想しました。

 口演ではメタ認知に関して具体例に基づく分かりやすい解説が印象的でした。発表では、級内相関による評価者間信頼性の検討や、MAI の下位尺度と他の尺度との比較を通して行う妥当性検討を行う計画が示されました。また、今年の6 月より被験者の募集を開始し、現在までに12 名の応募があり、3 名が除外基準に該当したため、9 名のデータが蓄積している現状ですが、対象者のリクルートに努力していることが語られました。

 発表の後は、精神疾患を有さない対象者に限定したことから生じ得る結果の解釈や、PANSS などで測定される精神症状との関連性など、臨床的観点からみた活発な議論が交わされました。この研究をもとに、MAI を精神科看護師による介入効果を示すアウトカムとして活用する研究も視野に入れているそうで、更なる発展が期待されます。

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