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第56回若手育成カンファレンス報告書

  第56回の若手育成カンファレンスは病院第一精神診療部で精神科医として活躍されている稲川拓磨さんに『認知症及び軽度認知障害に対する経頭蓋直流電気刺激』という題で発表をしていただきました。

 認知症の罹患者は増加の一途をたどっていますが、現在のところ根治療法は存在せず、有用な早期介入法の開発が求められています。経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)は、低侵襲の微弱な電流を流すことで脳の神経活動を修飾するニューロモデュレーションの一種であり、安価・簡便でもあるため、その臨床応用が期待されています。これまで、うつ病や、他の精神神経疾患に対する有効性が報告されており、認知症や軽度認知障害の患者を対象に、認知機能トレーニングの施行下で、tDCSを実施することを着想し、有効かつ安全に認知機能を改善できるのではないかと考えました。

 口演では、研究の背景説明に続き、単盲検偽刺激対照比較試験の実施について解説され、当初の目標である20症例まであと僅かで到達できる状況であることが報告されました。また、これまでのところ、運用面、技術面のトラブルは発 生せず、有害事象による脱落も生じていないとのことです。

 発表の後は、評価項目となっている認知機能の尺度に関するコメントや刺激部位から予想されるメタ認知に対する影響、治療効果発現のメカニズムや対象集団の選択に関する考え方などが提起され、各方面からみた活発な議論が続きました。20症例での実施終了後に行う解析の後に、評価項目の効果量を算出し、さらなる研究を計画しているとのことで、今後の発展が期待されます。

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