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第63回 若手育成カンファレンス報告書

  第63回の若手育成カンファレンスは病院小児神経科で医師として活躍されている本橋裕子さんに『筋ジストロフィー患者の病勢を反映するmicroRNAを用いたバイオマーカーの開発』という題で発表をしていただきました。難病として知られる筋ジストロフィーですが、治療効果の評価については課題があり、治験でしばしば使用される6分間歩行試験についても、知的障害や発達障害を有する患者における正確な測定が難しく、乳幼児、歩行不能者では測定そのものが不可能であり、より適切な評価系構築が求められています。Non-coding RNAの一種であるmicro RNA (miRNA)は、RNAの分解や翻訳を阻害すると考えられており、筋ジストロフィーの動物モデルと患者血清では、特定のmiRNAが上昇し、病勢を反映している可能性が示されていましたが、実用化にむけた測定値の信頼性を検証した研究はこれまで存在していませんでした。そこで、筋ジストロフィー患者において上昇する13種類のmiRNAのうち、(1) 最も信頼性の高いmiRNAと体液を同定すること、また、(2) miRNA値と病期の相関を確認することを着想しました。
 口演では、準備中の研究計画として、血清、尿、唾液を各々2回ずつ採取し、その検体からmiRNAを抽出し、real-time PCR法にて定量する概要について説明され、現在、良質なmiRNA抽出の実験系について検証中とのことでした。
 発表の後は、評価法としてのmiRNAの位置づけに関する議論から、研究デザインについて、活発な議論が提起され、データーの標準化に至るまで論じられました。今後は、miRNA抽出の実験系が確立次第、病院における実施が予定されており、新知見が期待されます。

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