今年の7月18日に100歳の誕生日を迎えられ、お祝いのメールをしたばかりでした。
亡くなる直前まで臨床家として、研究者として、情熱をもって、人々に貢献し続けていらっしゃいました。
「認知行動療法」の英語表記は、通常ならば、「Cognitive Behavioral Therapy」 と書くところですが、当センターの英語名称では、「National Center for Cognitive Behavior Therapy」 としています。
これは実は、米国フィラデルフィアのベック研究所「Beck Institute for Cognitive Behavior Therapy」 に倣ったものです。
センターの開設当時、大野裕初代センター長を団長に、堀越前センター長らがベック研究所を訪ね、当センターの開設のご報告をいたしました。その際に、Aaron.T.Beck先生よりいただいた名称になります。大野先生はAaron.T.Beck先生に直接、認知療法(Cognitive Therapy)の訓練を受けた直弟子の一人です。
この英語表記を冠する研究所名には、米国のベック研究所の正統的な流れを汲んだ研究施設だという誇りがあります。
Aaron.T.Beck先生の遺志を継ぎ、これからも、認知行動療法の研究、臨床、普及活動を通して、多くの方の人生がより良いものになるよう、当センターも邁進致します。
Aaron.T.Beck博士が残してくださったものに感謝しつつ、センター員一同、心より哀悼の意を表します。
認知行動療法センター センター長 久我弘典