こころのリカバリー地域支援センター

こころのリカバリー地域支援センター

「希望をもって自分らしく生きる」を、病院の外に出てサポート

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リカバリーを支援するということ

リカバリーとは

■臨床的リカバリーとパーソナルリカバリー

人が病を得たとき、その症状がなくなって、以前と同じことができるような状態に回復したいと願うのは自然なことです。このような意味での回復を、臨床的リカバリーといいます。
一方、統合失調症、双極性障害、重症うつ病などを持つ人の中には、治療によって激しい症状が改善した後もさまざまな生活のしづらさが残り、病によって人生が損なわれてしまったと感じる人が少なくないようです。それでも、人はさまざまな支援や治療をうけるなかで、地域生活を維持する力を獲得し、自分の希望を大切にしながら、その人の長所や能力を伸ばしていく人生を手に入れることが出来ます。希望や自分らしさは、個人個人で異なるものですが、このような「自分自身の人生を生きている」感覚を取り戻すことが、パーソナルリカバリーです。

■ふところの深いリカバリー概念

リカバリーが具体的に意味するものは、個人ごとに違った内容をもつことは、前項で説明したとおりです。臨床的なリカバリーとパーソナルリカバリーのどちらが重要かという問題ではありません。ある人にとっては症状の軽減や緩和を得ることが最も強い希望であるかもしれませんし、またある人にとっては、症状が残っていても充実し生産的な生活を送ることができる能力をもつこと、自分の生活をデザインし、仕事や学ぶ機会を得たり、家庭や人とのつながりを得たりして、地域社会に参加できるようになることが大切だと思われるかもしれません。
さらにリカバリーは、希望が実現された状態を指すのみではなく、そこに向かって歩みを進めるプロセスをも含む概念です。時には迷い、立ち止まったり、逆戻りしたり、そんな決して直線的ではない人生の歩みも、リカバリーの旅路です。
リカバリーはふところの深いものです。誰かに助けてもらってもよいのです。大切なことは、その支援が自分の足で歩むためのものであることです。

臨床的リカバリーとパーソナルリカバリーの枠組み

臨床的リカバリーとパーソナルリカバリーの枠組み

リカバリー支援の有効性を高めるもの

■ケアマネジメント

リカバリーの意味するものが個人によって異なる以上は、そのために必要な支援も個人により異なってきます。また、個別のリカバリーにおける多様なニーズに対して、医療サービスだけで対応することは困難です。
個人ごとにその人のニーズに見合った支援を検討し、公的・私的な支援ネットワークを通して計画的に支援が提供されるよう取り計らい、それらがうまくいっているかをモニタリングして、支援計画を練り直すといったプロセスを繰り返すことを、ケアマネジメントといいます。リカバリー支援のためのケアマネジメントで重要なことは、このプロセスに支援を受ける当事者が常に参加し、支援者との共同作業でプロセスが進んでいくことです。

■アウトリーチ支援

リカバリーのプロセスの大部分は、家庭や職場、学校、買い物や娯楽のために出かけていくところなど、病院の外の当事者の生活圏で進むものです。それならば、リカバリーを支援しようとする支援者も、そのプロセスが進むところで支援を提供するのが自然です。またそうすることで、家族や同僚、地域の社会資源など、当事者を取り囲む環境に働きかけたり、利用したりすることもできます。こうした、ニーズのある場所に出張して提供する支援アウトリーチ支援といいます。

こころのリカバリー地域支援センターの紹介

こころのリカバリー地域支援センターの仕組み

活動を担う部門

こころのリカバリー地域支援センターの活動を担う核となる部門は、センター病院精神リハビリテーション部の精神科デイケア、国立精神・神経医療研究センター訪問看護ステーション、精神保健研究所の地域・司法精神医療研究部の3部門です。それぞれ、社会参加のためのリハビリテーション、地域生活を維持するためのアウトリーチ支援、有効なリカバリー支援を提供するための研修や研究を担当します。そして、利用者の多様なニーズに対応した専門的な支援を提供するため、院内の様々な部門と連携しています。

活動の内容

■既存の医療サービスの枠組みを利用したリカバリー支援

精神科デイケアと訪問看護は、現在の精神科医療サービスの中で、病院外での地域生活や社会生活をよいものにしたいというニーズに応えるための大きな可能性を持っています。私たちは、これらの医療サービスを通じて個別のケアマネジメントやアウトリーチ支援を提供するという臨床実践により、リカバリーを支援するための地域精神科医療のあるべき姿を明らかにしていきます。

■ニーズのある所にサービスを

リカバリー支援のためのケアマネジメントやアウトリーチ支援を必要としている人すべてが、必ずしも医療サービスにつながっているわけではありません。むしろ、精神疾患の症状が重いがゆえに病院受診に至らない人たち、精神疾患をもっているかどうかもわからないまま自宅に引きこもっている人たちこそ、医療サービスを含むアウトリーチ支援のニーズが高い人たちといえるでしょう。私たちは、地域の行政や保健・福祉システムと連携して、このような人たちにも支援を提供する臨床実践を展開したいと考えています。

■有効性が実証された支援を全国に

現代の医療は、質の高い研究により有効性が確かめられた臨床実践を重視します。私たちは、他の医療機関と協力して前述の臨床実践を評価し、どのような人を対象にして、どのような支援をしたとき、どのような成果が期待できるのかを科学的に明らかにして全国に発信します。